東京都高校入試 数学 大問1(小問集合)|なぜ点が安定しない?正答率データで分かる落とし穴と対策

東京都高校入試の数学・大問1で、
「過去問を解くたびに点が安定しない」
そんな悩みはありませんか?

実は、大問1で点を落としている受験生の多くは、
実力不足ではなく「大問1特有の注意点」を知らないままに演習を重ねてしまっています。

  • 解くための知識が定着していない
  • 問題の丸付けと間違え直しだけで終わっている
  • 正答率が高い問題と低い問題の区別がついていない

この状態でどれだけ演習を積んでも、
点数はなかなか伸びません。

この記事では、

  • 東京都立高校入試・数学
    大問1(小問集合)の出題構造
  • 正答率データから分かる
    「取るべき問題・捨てるべき問題」
  • 点数を安定させるための
    現実的な解き方・考え方

を、受験生・保護者の方にも分かる形で整理します。

「大問1が不安定で足を引っ張っている」
そう感じている方は、
まずここで戦い方そのものを確認してください。

東京都 公立高校入試 数学 大問1 概要

東京都 公立高校入試の数学 大問1は、小問集合です。

毎年9題出題されます。

計算問題が6題、その他の問題が3題です。

計算問題

(1)四則の計算 … 5点

(2)文字式の計算 … 5点

(3)平方根の計算 … 5点

(4)一次方程式 … 5点

(5)連立方程式 … 5点

(6)二次方程式 … 5点

その他の問題

(7)資料の整理・確率 … 5点
(8)角度の問題 … 5点
(9)作図 … 6点

(※)変域 … 5点

(8)角度の問題のかわりに(※)変域が出題される年もあります。
令和7年度、令和3年度など。

配点は基本的に1問5点ですが、作図問題のみ6点です。

大問1だけで100点中46点割り振られています。
ここでいかに失点しないかが受験戦略上、非常に大切です。

東京都 公立高校入試 数学 大問1 正答率

2020年度から2025年度の6年間の正答率を参考に
年度ごとの大問の正答率
問題ごとの正答率

これらをまとめています。

年度ごとの大問の正答率

2025年度から2020年度の大問1の正答率は平均70.8%(65.1~76.5%) です。

都立高校入試 数学の大問の中で最も正答率が安定しているのがこの大問1です。

正答率が低くなる原因としては…
小問構成が例年とは異なっていたこと
計算問題が例年よりも少しだけ難しかったこと

これらが予想されます。

問題ごとの正答率

続いて、問題ごとの正答率をまとめました。

正答率の高い問題 … 失点してはいけない!
正答率の低い問題 … 他と差が付きやすい!(場合によってはスルー推奨も)

各小問との向き合い方をここで把握しましょう。

(1)四則の計算

平均87.2%(78.0%~95.1%)
基本問題が中心で、高得点が狙いやすい小問です。


(2)文字式の計算

平均66.5%(26.9%~93.8%)
年度によって差が大きく、分数の計算を含む年は特に正答率が下がります。


(3)平方根の計算

平均73.5%(55.3%~83.4%)
有理化が絡むと一気に正答率が低下します。


(4)一次方程式

平均85.9%(66.4%~93.5%)
取りやすい問題が多く、安定して正答率が高めです。


(5)連立方程式

平均87.3%(80.8%~93.1%)
入試全体でも得点源。必ず正解したい小問です。


(6)二次方程式

平均85.9%(66.4%~93.5%)
解の公式→計算→約分という手順が必要な年は正答率が下がります。


(7)資料の整理・確率

平均65.9%(46.6%~89.2%)
年度によって出題される問題が多く変わるため、正答率の差も大きいです。


(8)角度の問題

平均50.3%(37.3%~66.1%)
大問1の中で最も難易度が高め。図形の性質が身についていないと失点しやすいです。


(9)作図

平均53.6%(37.0%~66.0%)
作図の手順を理解していないと解けず、正答率も低めです。


(※)変域

平均58.3%(56.2%~60.3%)
例年ほぼ一定の正答率ですが、関数の理解が弱いと落としがちな小問です。


大問1は正答率が低い問題も含めてすべて正解できるように準備をしましょう!

大問1で満点を取るためは、小問ごとにしっかりと対策をする必要があります。

次は小問ごとの対策法を解説します!

東京都 公立高校入試 数学 大問1 対策

正答率による問題の分類

大問1は小問集合なので、各小問ごとに対策法が異なります。

まずは各小問を

  • 【高正答率の問題】
  • 【低正答率の問題】
  • 【年度差が大きい問題】

この3つのタイプに分類しましょう。

◆【高正答率の問題】
  • (1)四則の計算
  • (4)一次方程式
  • (5)連立方程式

◆【低正答率の問題】
  • (6)二次方程式
  • (8)角度の問題
  • (9)作図
  • (※)変域

◆【年度差が大きい問題】
  • (2)文字式の計算
  • (3)平方根の計算
  • (7)資料の整理・確率

これら3つのタイプはそれぞれ対策にかける時間や方法が異なります。

各タイプごとに具体的な対策を説明します。

【高正答率の問題】の対策

(1)四則の計算

(4)一次方程式

(5)連立方程式

これらの計算の基本+方程式は正答率が高いため、確実に得点したい問題です。

過去問や模試で安定して正解できている場合は、追加の対策は不要です。

ただし、ケアレスミスがある場合は要注意。
間違えた問題だけピンポイントで復習しましょう。

【低正答率の問題】の対策

(6)二次方程式

(8)角度の問題

(9)作図

(※)変域

これらの問題が正答できると、他の受験生との差を広げることができます。

各小問ごとに正答率が低い原因とその対策を見ていきましょう。

(6)二次方程式の対策

二次方程式の正答率が低い原因は、解法のバリエーションが多いことです。

  • 因数分解による解き方
  • 平方を利用する解き方
  • 解の公式による解き方

それぞれを完ぺきにこなしましょう。

これらの解法について詳しく学びたい方は
【高校入試対策】二次方程式で点数が伸びない理由|3つの解法とその選び方
をチェックしてください!

(8)角度の問題の対策

(8)では「円の角度」の問題が出題されます。

「円の角度」を学校で学習するタイミングは、中学3年生の12月ごろ。

そのため、入試までに十分な演習量を積めない危険性が高いです。

「円の角度」の対策は

  • 3年生冬休みに徹底的に対策する
  • 学校より先に学習を進めておく

冬に頑張るか、予習を済ませておくか
自分にとって可能な方法で演習量を確保しましょう!

(9)作図の対策

東京都公立高校入試 共通 で出題される作図は、基本的に中学1年生で習う内容です。

そのため、ほとんどの受験生が作図の方法を忘れてしまっています。

作図の問題は、中学1年生で習った内容を復習して再度身に付けることが得点確保への道です。

まずは代表的な3パターンの作図法を復習して、それから問題演習を行いましょう。

実際の問題では「ここで垂直二等分線を引いて…」のような指示は出ません。
「2点から等距離」→「垂直二等分線」のように、作図につながるフレーズを覚えましょう。

最後に過去問演習。
入試に対応できるか確認をしてください。

  1. 垂直二等分線・角の二等分線・垂線の作図方法を復習する
  2. 「2点から等距離」や「2線から等距離」などのフレーズを覚える
  3. 過去問演習を行う

この手順で作図の対策を行いましょう!

(※)変域の対策

この問題が大問1で登場したのは、最近では令和7年と令和3年です。

大問1ではめったに出題されませんが、実はこの問題は大問3での頻出問題です。

そのため、この問題は大問3対策でクリアすることをおすすめします。

この問題を解く際の注意点としては、グラフを自分で書くこと。
グラフを点線でとる→変域を実線で結ぶなど、視覚的に分かる解き方を練習しておくと安心です。

これら低正答率の問題は、数学を得点源にする上で非常に重要です。

一つ一つの小問についてしっかりと対策を行いましょう!

【年度差が大きい問題】の対策

(2)文字式の計算

(3)平方根の計算

(7)資料の整理・確率

これらの問題は、出題のされ方によって正答率が大きく変動します。

そのため直近の模試や過去問演習で正答できていたとしても要注意です。

各小問ごとに正答率が変動する原因とその対策を見ていきましょう。

(2)文字式の計算の対策

文字式の計算は分数が絡むかどうかで正答率が大きく変動します。

♦正答率が高いパターン

2(ab)3(4a+b)2(a-b)-3(4a+b)
=2a2b12a3b=2a-2b-12a-3b
=10a5b=-10a-5b

♦正答率が低いパターン

5a+b22a+b\dfrac{5a+b}{2}-2a+b

=(5a+b)+2(2a+b)2=\dfrac{(5a+b)+2(-2a+b)}{2}

=5a+b4a+2b2=\dfrac{5a+b-4a+2b}{2}

=a+3b2=\dfrac{a+3b}{2}

正答率が高いパターンも低いパターンも、符号間違えに気を付けましょう。

そのうえで、分数同士の計算や分数と整数の計算は、
長い分数を作って解くことを徹底してください。

そうすることで、分数の処理での失敗を防ぐことができます。

(3)平方根の計算の対策

平方根の計算は有理化が絡むかどうかで正答率が大きく変動します。

♦正答率が高いパターン

(23+1)(23+2)(2\sqrt{3}+1)(2\sqrt{3}+2)
=12+3×23+2=12+3\times2\sqrt{3}+2
=14+63=14+6\sqrt{3}

♦正答率が低いパターン

23÷2×52\sqrt{3}\div\sqrt{2}\times\sqrt{5}

=23×52=\dfrac{2\sqrt{3}\times\sqrt{5}}{\sqrt{2}}

=23×5×22=\dfrac{2\sqrt{3}\times\sqrt{5}\times\sqrt{2}}{2}

=30=\sqrt{30}

東京都の公立入試 共通 では、基本的に展開の計算が出題されることが多いです。
展開が出題される際の平均点は比較的高めです。

問題なのは、平方根の割り算の問題。
有理化のやり方をしっかりと復習してください。

そうすることで、イレギュラーな出題にも対応することができます。

(7)資料の整理・確率の対策

資料の整理・確率の正答率が変動する原因は、出題のバリエーションが多いためです。

2025年度:確率

2024年度:箱ひげ図

2023年度:確率

2022年度:度数分布表

2021年度:確率

2020年度:度数分布表

出題パターンごとに正答率を解析すると…

箱ひげ図

平均89.2%(2025年度から2020年度では1回のみ)

確率

平均55.4%(46.6~71.2%)

度数分布表

平均69.9%(62.6~77.2%)

このように、出題パターンで正答率が大きく変動しています。

各パターンそれぞれの基本をしっかりとおさえましょう。

そのうえで、確率の問題は特によく演習を行いましょう。

これら低正答率の問題への対策は、思わぬ失点への予防として重要です。

安定して得点できている小問についても再度確認をしましょう!

東京都 公立高校入試 数学 大問1 取り組む時期

数学の過去問は大問ごとに演習をすることをおすすめします。

まずは制限時間などは気にせず、しっかりと得点ができるかをチェックすることから始めましょう。

大問1に取り組むおすすめの時期は3年生の春休みと夏休み

3年生の春休みにやること

自分がすでに予習を終えている小問について解いてみましょう。

学校に合わせて初見を済ませている人は(1),(2),(4),(5)はマストで、余裕があれば(7),(9)も。

ここで重要なのは現時点の得点ではなく、正答率が低い問題がないかチェックすること。
自分の弱点を見つけた場合、必ずその単元についてクリアしておきましょう。

例えば連立方程式の計算の正答率が低い場合は…

  1. 連立方程式の計算プリントを用意する
  2. 10問すべてクリア出来たらプリントにマークを付ける
    1問でも間違えていたらマークは付けない
  3. マークが3回ついたらクリア

このように徹底的にその単元をクリアしておきましょう。

3年生の夏休みにやること

やるべきことは春休みと同じです。

初見が済んでいる単元の弱点チェックを行いましょう。

春休みに(7),(9)を扱わなかった場合は、夏休みのうちに解くことをおすすめします。

ここで基礎をがっちり固めて、あとは模試を通して大問1を完成させられるようにしましょう。

まとめ

東京都 公立高校入試 数学 大問1は小問集合です。

各小問で何が問われるのか把握して、できるだけ早い時期に満点が取れる状態まで持っていきましょう。

特に資料の整理や作図の知識が抜けてしまっている受験生が多いので、それらはしっかりと確認しておきましょう。

動画で解説

動画での解説もありますので、ぜひご覧ください。

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