酸化数の計算方法|文系のための高校化学基礎
酸化還元の単元がよくわからない…
テスト対策・共通テスト対策をしたいけど何からすればよいのか…
こんな方にまず会得してもらいたいのが
「酸化数」の求め方。
酸化数は簡単なルールと解法の手順を身に付けることで、
簡単に求められるようになります。
さらに、酸化数が求められるようになると、
それに連動して様々な問題が一気に解けるようになるので、
習得のコスパ◎です!
酸化数って何?(初見はスルーOK)
酸化数って何に使う?
酸化数を求めるためのルールは?
実際に酸化数を算出する
この記事では「酸化数の計算方法」を、
化学が苦手な文系の高校生にもわかりやすく解説をします。
化学基礎の定期テスト・共通テストの突破を目指して、
この記事で酸化数を完ぺきにしましょう!
酸化数って何?(詳しく説明|初見はスルーOK!)

酸化数が何なのか気になる人はここから読んでください。
とりあえず最短で化学基礎をおさえたい方は、次の見出しからでOKです!
酸化数とは、
その原子が電子をどれだけ失った(または受け取った)かを表す数
です。
その原子が電子を1つ失うと酸化数は1増えて、
電子を一つ受け取ると酸化数は1減ります。
ところで、酸化還元と電子の関係は覚えていますか?
電子を失うとその原子は酸化、電子を受け取ると還元される。
これが酸化還元と電子の関係です!
「酸化数の定義」と「酸化還元と電子の関係」を組み合わせると…
酸化数が増えるとその原子は酸化、酸化数が減るとその原子は還元される。
という関係を導くことができます。
酸化数って何に使う?(初見はここから!)

これから酸化数の計算方法を学習する前に、
まずは酸化数について学ぶメリットを見ておきましょう。
酸化数の役割は、
反応の前後でその物質が酸化・還元されたかを判定することです。
反応の前後で酸化数が増えていたら、その物質は酸化されている。
このように、酸化還元のチェッカーとして酸化数を使います。
例)

この反応について、酸化数を計算してみると…

よって
よって
このように、酸化数はその物質が酸化・還元されたかをチェックするために使います。
酸化数の実践的な使用方法はまた別の記事で詳しく説明します。
この記事ではまずは土台として、酸化数の計算方法を覚えましょう。
酸化数の計算のために覚えるルール

まずは各元素についてのルールを4つ覚えましょう。
これらは暗記必須のルールです。
■ ルール① 化合物中の水素は原則+1
化合物中の水素の酸化数は原則+1です。
例:
- H₂O → 水素の酸化数は+1
- HCl → 水素の酸化数は+1
例外:
- NaH → 水素の酸化数は-1
- CaH₂→ 水素の酸化数は-1
金属と結合する場合は、水素の酸化数はー1です。
このような例外も覚えておきましょう。
■ ルール② 化合物中の酸素は原則ー2
化合物中の酸素の酸化数は原則-2です。
例:
- H₂O → 酸素の酸化数は-2
- CO₂ → 酸素の酸化数は-2
例外:
- H₂O₂ → 酸素の酸化数は-1
- BaO₂ → 酸素の酸化数は-1
O₂²⁻(過酸化物イオン)を含む場合は −1 です。
特に過酸化水素(H₂O₂ )は定期テストでも頻出なので覚えておきましょう。
■ ルール③ 化合物中のアルカリ金属は +1
Li, Na, K などは
化合物中で必ず +1
■ ルール④ 化合物中のハロゲンは 原則-1
F, Cl, Br, I は
基本的に −1
例:
- HF → Fは −1
- CaCl₂ → Clは −1
(※酸素と結合する場合などの例外は発展内容)
ここまでが「暗記ゾーン」です。
しかし、これだけでは
NH₃ のような問題は解けません。
ルール①~④に登場しなかった元素の酸化数を求めるために、
あと3つルールを追加しましょう。
■ ルール⑤ 単体は0
- H₂ → 水素の酸化数は0
- O₂ → 酸素の酸化数は0
■ ルール⑥ 化合物全体の和は0
中性の化合物では、
すべての原子の酸化数の合計 = 0
■ ルール⑦ イオンは「電荷と一致」
例:
- SO₄²⁻ → 合計 −2
- NH₄⁺ → 合計 +1
ルール①~④は暗記すべきルールだったのに対して、
ルール⑤~⑦はそれ単体では効力を発揮しないルールです。
ルール⑤~⑦は酸化数のを求めるための立式を立てる際に役立つルールです。
ここから先は①~④に登場しなかった原子の酸化数の求め方を解説します。
分子・多原子イオン中の原子の酸化数の求め方

ルール①~④になかった原子の酸化数の求め方は以下の通りです。
- 分かるものから埋める
(H・O・アルカリ金属) - 分からない元素を x と置く
- 全体の和=0(または電荷)で式を立てる
- 方程式を解く
この手順を用いてNH₃, NO₃⁻ 中の窒素原子の酸化数を求めてみましょう。
NH₃の窒素原子の酸化数を求める
- 分かるものから埋める
(H・O・アルカリ金属) - 分からない元素を x と置く
- 全体の和=0(または電荷)で式を立てる
- 方程式を解く
この手順に従って実際に求めます。
分かるものから埋める

水素の酸化数は原則+1
このルールを使いましょう。
分からない元素をxと置く

窒素原子の酸化数は分からないのでxとおきます。
このxの値が分かればクリアですね。
全体の和=0(または電荷)で式を立てる
NH₃分子全体の酸化数の和は0
ここから方程式が立てられます。
方程式を解く
この方程式を解くと
よって、NH₃中の窒素原子の酸化数は-3です。
NO₃⁻ の窒素原子の酸化数の求め方
- 分かるものから埋める
(H・O・アルカリ金属) - 分からない元素を x と置く
- 全体の和=0(または電荷)で式を立てる
- 方程式を解く
多原子イオンについても同様に処理をしてみましょう。
分かるものから埋める

酸素の酸化数は原則ー2
このルールを使いましょう。
分からない元素をxと置く

窒素原子の酸化数は分からないのでxとおきます。
このxの値が分かればクリアですね。
全体の和=0(または電荷)で式を立てる
NO₃⁻全体の酸化数の和は-1なので
ここから方程式が立てられます。
方程式を解く
この方程式を解くと
よって、NO₃⁻中の窒素原子の酸化数は+5です。
まとめ
酸化数の計算方法はうまくつかめましたか?
ルール①~④は完璧に暗記。
ルール⑤~⑦と組み合わせて酸化数を求める。
ルールを覚えたら、今度は方程式を立てて計算を練習。
酸化数の計算は、繰り返し練習してスムーズにこなせるようにしましょう。
実際に自分の手を動かして、例題や学校ワークの問題をよく練習してください!
次に読むべき記事
酸化数が理解できたら、次にやるべきことは1つです。
酸化・還元の見分け方
共通テストでは、
- どれが酸化か
- どれが還元か
を判断する問題が頻出です。
ここでも重要なのは、
感覚ではなく「判断の型」です。
▶︎ 次の記事はこちら
→「酸化還元の見分け方|一瞬で判断するための型」

