高校数学B「統計的な推測」二項分布を覚えるメリットは?公式で即解き|やさしく解説

「二項分布を習ったけど、これってわざわざ覚える必要があるの?」

「期待値・分散は確率分布を表にまとめて計算すればよくない?」

「二項分布の公式を覚えるメリットって何?」

高校数学Bで二項分布を習ったばかりの多くの学生が疑問に感じるポイントです。

二項分布を覚えるメリットは?

確率分布をまとめる方法と公式を活用する方法の比較

この記事ではまず、二項分布を覚えるメリットを詳しく解説します。

続いて、実際の問題演習を通して、
「確率分布をまとめる方法」と「公式を活用する方法」を比較します。

定期テスト・共通テストで統計定期な推測にかける時間を減らすためにも、
ぜひ二項分布を覚えるメリットについて体感してください!

二項分布を覚えるメリット

ここでは二項分布を覚えるメリットを2つ紹介します。

1. 計算時間が大幅に短くなる

まず一つ目のメリットは、計算が速く・楽になることです。

確率分布を表にまとめて解く手法はどうしても時間がかかります。

  • 表を作る
  • 確率を計算する
  • E[X]E[X]E[X2]E[X^2] を求める
  • そこから分散・標準偏差を計算する

という長い流れが必要です。

一方で、二項分布の場合は

  • 試行回数 nn
  • 成功確率 pp
  • 失敗確率 q=1pq = 1-p

に対応する値がわかれば、すぐに期待値・分散・標準偏差が求められます。

これは、わざわざ公式を覚える価値がある大きなメリットです。

二項分布が使えるものは使った方が処理が楽
→ これが二項分布を覚える第一の理由です。


2. 試行回数が変わっても対応しやすい

二つ目のメリットは、
二項分布は「試行回数の変化に強い」
という点です。

たとえば、
「いまはコインを10回投げたけれど、20回にしたらどうなるかな?」
と思ったとします。

確率分布表で解いている場合、

  • 表を全部作り直す
  • もう一度計算し直す

必要があります。

しかし、二項分布の公式を使えば

  • n=10n=10n=20n=20に置き換えるだけ

で簡単に対応できます。

高校数学や共通テストでは

  • 試行回数を変えて考察させる問題
  • 条件を少し変えて比較させる問題

がよく出てくるため、この点はとても大きな武器になります。

二項分布のメリットを例題で体感しよう

実際の問題演習を「確率分布をまとめる方法」と「公式を活用する方法」の2パターンで比較します。

二項分布のメリットを実際に体感しましょう!

例題:コインを3回投げる

コイン1枚を3回投げる。表が出る回数について、期待値と分散・標準偏差を求めよ。

(表が出る確率は1/2とする)

方法①:確率分布表を作って計算

確率変数X は「コインを3回投げた時の表が出る回数」とします。

確率変数 X={0,1,2,3}X=\{0,1,2,3\}

確率分布を表でまとめましょう。

XXPPX×PX\times PX2×PX^2 \times P
0018\frac{1}{8}0000
1138\frac{3}{8}38\frac{3}{8}38\frac{3}{8}
2238\frac{3}{8}68\frac{6}{8}128\frac{12}{8}
3318\frac{1}{8}38\frac{3}{8}98\frac{9}{8}
1132\frac{3}{2}33

E[X]=32E[X]= \frac{3}{2}

E[X2]=3E[X^2]=3

これら数値をもとに期待値・分散・標準偏差を求めます。

E[X]=32E[X]= \frac{3}{2}

V[X]=E[X2](E[X])2V[X]= E[X^2] – (E[X])^2

=394= 3 – \frac{9}{4}

=34= \frac{3}{4}

σ=32σ=\frac{\sqrt{3}}{2}

これが「確率分布をまとめる解き方」です。
正しいですが、表づくりや計算にそれなりの時間がかかります。

方法②:二項分布の公式を使う

n … 試行回数

p … 成功する確率

q … 失敗する確率

まずはこれらを求めましょう。

コインを3回投げるため n=3n=3

表が出る確率 p=12p=\frac{1}{2}

裏が出る確率 q=12q=\frac{1}{2}

これらを公式に代入すると

E[X]=npE[X]=np

=3×12=3 \times \frac{1}{2}

=32=\frac{3}{2}

V[X]=npqV[X]=npq

=3×12×12=3 \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2}

=34=\frac{3}{4}

σ=npqσ=\sqrt{npq}

=32=\frac{\sqrt{3}}{2}

公式を用いれば、このように一発で求めることができます。

2通りを比べると、
公式の方が圧倒的に計算が楽ということが実感できますね。

例題:コインを30回投げる

コイン1枚を30回投げる。表が出る回数について、期待値と分散・標準偏差を求めよ。

(表が出る確率は1/2とする)

方法①:確率分布表を作って計算

この問題を確率分布をまとめて解くためには

確率変数X は「コインを30回投げた時の表が出る回数」として

確率変数 X={0,1,2,,30}X= \{ 0, 1, 2, …, 30 \}

このそれぞれの確率変数を取る確率を求めて…

と非常に大変ですね。

方法②:二項分布の公式を使う

一方で公式を活用する方法では

  • コインを30回投げるため n=30n=30
  • 表が出る確率 p=12p=\frac{1}{2}
  • 裏が出る確率 q=12q=\frac{1}{2}

ひとつ前の例題とnの値が変わっただけですね。

これらを公式に代入すると

E[X]=npE[X]=np

=30×12=30 \times \frac{1}{2}

=15=15

V[X]=npqV[X]=npq

=30×12×12=30 \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2}

=152=\frac{15}{2}

σ=npqσ=\sqrt{npq}

=302=\frac{\sqrt{30}}{2}

p, q の値はひとつ前の問題から引き継いで、
n の値を変えるだけで簡単に解くことができました。

確率変数を表でまとめる方法は、
このような設定の変更に対応できない点が少し残念ですね。

まとめ:二項分布を覚えるメリット

二項分布を覚えるメリットは次の通りです。

✔ 計算が速くなり、テスト時間の節約になる

✔ 試行回数が変わっても簡単に対応できる

✔ 表づくりより計算ミスが少なくなる

✔ 共通テスト頻出問題を効率よく解ける

二項分布を覚えることはメリットがたくさんあるので、
頑張って公式や使い方を覚えましょう!

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