[高校数学Ⅰ]三角比って何?|直角三角形の辺の比とsin cos tan

高校数学Ⅰ「三角比」は他単元と比べて、序盤からつまずきやすい単元です。

それはsin cos tan というなじみのないものが急に登場するからです。

よくわからないものの関係式や定理を説明されてそれを活用するというのは、なかなか難しいものですよね。

三角比の学習は sin2θ+cos2θ=1sin^2θ+cos^2θ=1 や sin(90−θ)=cosθsin(90-θ)=cosθ のような関係式や
正弦定理・余弦定理などの重要な定理を覚えることももちろん重要ですが…

まずは三角比とは何なのかを一度しっかりと把握することが重要です。

sinθsinθ はこういうもの! と一度自分なりに解釈することが、
この先の関係式や定理の理解度を高めてくれます。

この記事では、公式を覚える前に「三角比とは何なのか?」について
直角三角形と相似の関係から考えていきます。

※この記事では0°<θ<90°0°<θ<90° における三角比について扱います。
0°≦θ≦180°0°≦θ≦180° の三角比はまた別記事で解説する予定です。

三角比って何?

sin cos tan って何?

三角比にはどんな性質があるの?

これらの疑問についてここで理解を深めて、
学校の試験や共通テストに備えましょう!

三角比の公式を覚える前に…|三角比とは何?

三角比とは、直角三角形の2辺の長さの比を表すものです。

例えば、次のような直角三角形を考えてみましょう。

これは∠CAB = 30°の直角三角形です。

この三角形について、∠CABを基準としてみると

  • CA … 斜辺
  • BC … 対辺
  • AB … 隣辺

このように各辺に名前を付けることができます。

そしてこれら3辺の組み合わせのうち

sin∠CAB=対辺斜辺sin∠CAB = \frac{対辺}{斜辺}

cos∠CAB=隣辺斜辺cos∠CAB = \frac{隣辺}{斜辺}

tan∠CAB=対辺隣辺tan∠CAB = \frac{対辺}{隣辺}

これら3つの比をsin(サイン)、cos(コサイン)、tan(タンジェント)と呼びます。

角度が同じなら、辺の比は一定になる

三角比において覚えておきたい重要な性質があります。

それは、「直角三角形の一つの鋭角の角度が定まれば、三角比が定まる」ということ。

三角比と相似

このように大きさの違う直角三角形同士について

∠CAB = ∠FDE であれば、直角(∠ABC = ∠DEF)と合わせて二組の角がそれぞれ等しいので、
△ABC ∽ △DEF となります。

相似な三角形は対応する辺の比が等しいので

AB:BC:CAとDE:EF:FAAB:BC:CA とDE:EF:FA はそれぞれ等しいことが分かります。

このように、相似の考え方から、
「直角三角形の一つの鋭角の角度が定まれば、三角形の各辺の比が定まる」ことが導けます。

「直角三角形の一つの鋭角の角度が定まれば、三角形の各辺の比が定まる」

そして、三角比とはまさにこの「辺と辺の比」を表したものです。

つまり三角形の大きさにかかわらず、
直角三角形の一つの鋭角θについて sinθ, cosθ, tanθsinθ,\ cosθ,\ tanθ は一定の値を取るということ。

このことを利用して
分かっている角度や辺の長さから分からない辺の長さや角度を求められることが、
三角比の大きな特徴のひとつです。

各θの値における sinθ, cosθ, tanθsinθ,\ cosθ,\ tanθ をまとめた表がある

直角三角形の一つの鋭角θについて sinθ, cosθ, tanθsinθ,\ cosθ,\ tanθ は一定の値を取る。

このことを用いて
各θの値における sinθ, cosθ, tanθsinθ,\ cosθ,\ tanθ をまとめた表があります。

θ(°)sinθcosθtanθ
10.017450.999850.01746
20.034900.999390.03492
30.052340.998630.05241
40.069760.997560.06993
50.087160.996190.08749
60.104530.994520.10510
70.121870.992550.12278
80.139170.990270.14054
90.156430.987690.15838
…………
240.406740.913550.44523
250.422620.906310.46631
260.438370.898790.48773
…………
870.998630.0523419.08114
880.999390.0349028.63625
890.999850.0174557.28996

この数値を活用することで、
角度の分かっている直角三角形の辺の長さや
辺の長さが分かっている直角三角形の角の大きさを計算することができます。

例題:三角関数表を使って辺の長さを求めよう

sin25°=x3sin25°=\frac{x}{3}

表よりsin25°=0.42262sin25°=0.42262

よって x3=0.42262\frac{x}{3}=0.42262

x=1.26786x=1.26786 (約1.27)

と分かります。

三角関数表は覚えないとだめ?

三角関数表の数値が計算に必要な場合は表が掲示されるので、
すべての数値を覚える必要はありません。

しかし30°,45°,60°などの有名角の三角比は
導出法・それらの数値ともにこれから覚える必要があります。

角度sincostan
30°12\frac{1}{2}32\frac{\sqrt3}{2}13\frac{1}{\sqrt3}
45°22\frac{\sqrt2}{2}22\frac{\sqrt2}{2}11
60°32\frac{\sqrt3}{2}12\frac{1}{2}3\sqrt3

有名角の導出法・暗記法は以下の記事をチェックしてください!

[高校数学Ⅰ] 有名角の三角比は覚えるべき?|三角比の求め方・覚え方

三角比はsin・cos・tanの3つだけ?

斜辺・対辺・隣辺からふたつを選んで分子・分母に並べる方法は何通りでしょうか?

答えは6通りです。

実は、2辺の長さの比を考える方法は、sin・cos・tanだけではありません。

sin∠CAB=対辺斜辺sin∠CAB = \frac{対辺}{斜辺}

cos∠CAB=隣辺斜辺cos∠CAB = \frac{隣辺}{斜辺}

tan∠CAB=対辺隣辺tan∠CAB = \frac{対辺}{隣辺}

これ以外にも

cosec∠CAB=斜辺対辺cosec∠CAB = \frac{斜辺}{対辺}

sec∠CAB=斜辺隣辺sec∠CAB = \frac{斜辺}{隣辺}

cot∠CAB=隣辺対辺cot∠CAB = \frac{隣辺}{対辺}

という三角比も実際には存在します。

ただし、高校数学で基本的に使うのはsin・cos・tanの3つです。

この段階では、cosec・sec・cotまで覚える必要はありません。

まずはsin・cos・tanの3つを理解しておきましょう。

sin・cos・tanにはどんな関係がある?

直角三角形の一つの鋭角θについて sinθ, cosθ, tanθsinθ,\ cosθ,\ tanθ は一定の値を取る。

ひとつの鋭角が定まれば辺の比も定まるということは、

sinθ, cosθ, tanθsinθ,\ cosθ,\ tanθ 同士にも関連性があります。

tan⁡θ=sin⁡θcos⁡θ\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}

sin⁡2θ+cos⁡2θ=1\sin^2\theta+\cos^2\theta=1

このような関係式を利用してsin cos tan の値を求める練習も今後行います。

まとめ

本格的な関係式や公式に入る前に、三角比とは何かについて解説をしました。

直角三角形の相似と三角比についてはよく覚えておいてください。

この時点ではなぜsin cos tan が特別扱いされているのかまだピンとこないかもしれませんが、
今後学習を進めていくにつれてその効果を体感することができます。

ここでは、今後ずっと使っていく三角比がどういうものなのかが把握できれば目標達成です。

Follow me!