高校数学B 「統計的な推測」正規分布への準備講座|離散型・連続型の確率分布の違い
「二項分布まではついていけたけど、正規分布に入ってから一気に分からなくなった」
高校数学B「統計的な推測」において正規分布で一気に分からなくなることには理由があります。
それは確率分布の「扱い方」が二項分布までと大きく変わること。
二項分布が離散型の確率分布であるのに対して、
正規分布は連続型の確率分布です。
確率分布が離散型から連続型に変わることで、確率の考え方や計算方法も変わります。
これが、正規分布でつまずきやすいポイントの一つです。
この記事では、高校数学B「統計的な推測」で正規分布の学習に入る準備として、
離散型の確率変数と連続型の確率分布との違いを確認します。
ここでは難しい計算や公式は扱いません。
まずはそれぞれの特徴と、扱う際の注意点をつかむことから始めましょう。
▶︎ 高校数学B「統計的な推測」シリーズ目録・過去問解説のまとめはこちら!
これまで学んできた確率変数は「離散型」
これまで、いろいろな確率変数・確率分布について問題を解いてきました。
- サイコロを投げる
- コインを投げる
- 箱の中から球を取り出す
ここでそれぞれの問題における確率変数について改めて整理をしましょう。
例えば、サイコロの出る目を確率変数 とすると
Xは1,2,3,4,5,6のいずれかの値を取ります。
コインの表の枚数や箱の中から取り出す球の個数も
0,1,2,3…といったとびとびの値を取ります。
このように、取る値がとびとびになっている確率変数を
離散型確率変数といいます。
そして離散型確率変数の分布が
離散型確率分布です。
第4章で扱った二項分布も離散型確率分布です。
つまり、ここまで学んできた確率分布は基本的に離散型だったわけです。
これから扱う確率変数は「連続型」

今までの離散型確率変数に対して、ここからは少し違った確率変数を扱います。
それは取りうる値がとびとびになっていない、連続した値である確率変数です。
連続って何?
1,2のようにとびとびの値だけでなく、
その間の1.5や、1と1.5の間の1.25、さらにその間の値……というように、
ある範囲の中の値を連続的に取りうるものを「連続」と考えます。
連続した値をとる確率変数を連続型確率変数、
そして連続型確率変数の分布を連続型確率分布といいます。
分布の違いというよりは、
扱っている確率変数の性質が変わるというように考えてください。
連続型変数がとる分布の一例が正規分布
連続型の確率変数も、離散型同様に様々な分布を取ります。
そのうちの一例が正規分布です。
つまり、
正規分布 ⊂ 連続型確率分布と考えることができます。
連続型確率変数ってどういうもの?|具体例と注意点
- サイコロの出目
- コインの枚数
- 球の個数
離散型の確率変数はこのように簡単に例を挙げることができますね。
では、連続型の確率変数は具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
ある果樹園で収穫したリンゴの重さ(g)
ある果樹園で収穫したリンゴの重さを確率変数Xでとるとします。
リンゴの重さは「250g、251g…」のようにとびとびではなく、
その間の数「250.1や250.233」なども取りますよね。
連続した値を取るため、リンゴの重さは連続型確率変数としてとります。
ある町の高校3年生男子の身長
身長も体重と同様、とびとびの値ではなく、
その間の値も取ります。
よってある町の高校3年生男子の身長を確率変数で取る場合、
それは連続型確率変数となります。
注意!重さ・高さなどを常に連続型確率変数で取るわけではない
ここで注意したいのが、
「重さや高さ = 連続型確率変数」と安易に決めてはいけいないということ。
リンゴの重さをS・M・Lサイズに分けて確率変数とする場合
Sサイズを0,Mサイズを1,Lサイズを2とします。
この時、確率変数1と2の間の数1.5などは取りません。
よってこれは離散型確率変数です。
身長を170cm未満・170cm以上180cm未満・180cm以上と分けて確率変数とする場合
170cm未満を0,170cm以上180cm未満を1,180cm以上を2と取ると…
やはり0.3や1.2は取りえないですね。
これも離散型確率変数です。
確率変数が連続した値を取るのか・とびとびの値を取るのかで判断する
確率変数の型のチェックとして重要なのは、その対象が「サイコロか身長か」ではありません。
「その確率変数が連続した値を取るのか・とびとびの値を取るのか」
で確率変数の型を判断してください。
連続型確率変数を扱う上での注意点|離散型とは大きく異なるポイント

連続型の確率変数を扱う時に注意したいことが3つあります。
- 確率変数が取る値
- 確率の考え方
- 確率・期待値・分散の計算方法
ここでは連続型の確率変数の一例として
「ある農場でとれたリンゴの重さ」を用いて確率分布の特徴について解説をします。
確率変数の取る値がとびとびにならない
先ほども説明しましたが、
連続型確率変数の取る値はとびとびになりません。
リンゴの重さは「250g、251g…」のようにとびとびではなく、
その間の数「250.1や250.233」なども取りますよね。
このように、取る値が連続した値であることが一つの特徴です。
求める確率が点ではなく範囲になる
離散型の確率変数は「3が出る確率」のように、
特定の値を取る確率を考えました。
それに対して、連続型の確率変数では特定の値ではなく範囲で確率を考えます。
「リンゴの重さが250gぴったりになる確率」ではなく、
「リンゴの重さが240g以上260g以下になる確率」を考える。
連続型ではある区間に入る確率を考える、ということです。
確率変数の取る値が連続になったことで、
考える確率も点から範囲に変わることに注意しましょう。
ここは特に重要なポイントなのでよく覚えておいてください。
確率・期待値・分散の計算方法が変わる
離散型の確率分布で確率を考える場合は、数学Aの確率の知識を用いました。
期待値・分散を求める場合は…
- 確率分布を表にまとめる
- 表をもとにE[X], E[X²]を計算する
- 期待値・分散を計算する
この手順を用いることが王道でした。
これに加えて、確率変数の変換や二項分布の公式で、一部の問題は計算の負担を減らす
というのがこれまでの流れです。
それに対して、連続型の確率分布では、
グラフの面積を利用して確率を考えるようになります。
この「面積」の考え方の数学的な背景にあるのが積分です。
正規分布の前に積分を学習しないとダメ?
正規分布では、面積を直接計算する代わりに
正規分布の性質や標準正規分布表を利用して確率を求めることになります。
よって積分が未習のままでも正規分布に進むことはできます。
ただし、連続型確率分布の確率・期待値・分散の計算方法の根底にあるのは積分の考えである、
ということは把握しておくことをおすすめします。
まとめ
確率変数・確率分布について「離散型と連続型の違い」を数式無しで解説しました。
連続型確率変数は連続した値をとる確率変数。
正規分布は連続型確率分布の一例。
確率変数の型が変わることで確率・期待値・分散の計算方法が大きく変わる。
正規分布を本格的に学習する前に、ここでいったん離散型・連続型の違いを整理しておきましょう!
◀ 第3章|確率変数の変換 Y = aX + b の期待値・分散
▶ 第5-1章|正規分布~正規分布って何?~|グラフと平均・分散、標準正規分布を理解しよう!
▶︎高校数学B「統計的な推測」シリーズ目録・過去問解説のまとめはこちら
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