高校数学B 「統計的な推測」 二項分布の公式を使おう! 問題解説

この記事は、高校数学B 「統計的な推測」 二項分布の公式を用いて期待値・分散を求める問題についての解説です。

この単元の考え方を学びたい方は
高校数学B「統計的な推測」第4章 二項分布・ベルヌーイ分布はどう使う?|確率分布と公式
こちらの記事から読んでください。

この記事で扱う問題[PDF]

解答はこちら[PDF]

ここからは各問題についてどのように解けばよいのかの解説を行います。

二項分布の公式で期待値・分散を求めよう!(1)の解説

サイコロを7回振る。

この時、5の目が出る回数の期待値・分散・標準偏差を求めなさい。

確率変数Xの定義と二項分布に従うかのチェック

サイコロを7回振った時の5の目が出る回数を確率変数Xとします。

ここから確率変数Xについて確率分布を表にまとめる。のではなく…

二項分布に従うかをチェックします。

二項分布に従う場合、公式を用いることで簡単に期待値・分散・標準偏差を求めることができるからです。

二項分布かどうか確かめるために、成功する事象が毎回同じ確率で起こるかを考えます。

例:10本中1本あたりが入っているくじを1本ずつ10回引く。

引いたくじを毎回戻す→当たる確率は一定→二項分布である

引いたくじを毎回戻さない→当たる確率は一定ではない→二項分布ではない

今回はサイコロの目について。

成功する事象が毎回同じ確率で起こるので(16の確率で5の目が出る\frac{1}{6} の確率で5の目が出る)
これは二項分布です!

二項分布B(n, p)の形式で表す

確率変数Xが二項分布に従うとわかったら、次は 二項分布B(n, p)の形式で表します。

このようにまとめておくと、公式を用いて計算をする際のミスを減らすことができます。

試行回数nは7回、成功する確率pは1/6。

確率変数Xは、二項分布 B(7, 1/6) に従います。

公式から期待値・分散・標準偏差を求める

確率変数Xは、二項分布 B(7, 1/6) に従う。

n=7n=7

p=16p=\frac{1}{6}

q=1−p=56q=1-p=\frac{5}{6}

これらを公式に当てはめると

E[X]=npE[X]=np

=7×16=7 \times \frac{1}{6}

=76=\frac{7}{6}

V[X]=npqV[X]=npq

=7×16×56=7 \times \frac{1}{6} \times \frac{5}{6}

=3536=\frac{35}{36}

σ=npqσ=\sqrt{npq}

=7×16×56=\sqrt{7 \times \frac{1}{6} \times \frac{5}{6}}

=356= \frac{\sqrt{35}}{6}

二項分布の公式で期待値・分散を求めよう!(2)の解説

コインを3枚同時に投げることを10回繰り返す。

この時、表のコインが2枚出る回数について、期待値・分散・標準偏差を求めなさい。

確率変数Xの定義と二項分布に従うかのチェック

コインを3枚同時に投げることを10回繰り返す時の、
表のコインが2枚出る回数を確率変数Xとします。

二項分布かどうか確かめるために、成功する事象が毎回同じ確率で起こるかを考えます。

今回はコインの裏表について。

成功する事象が毎回同じ確率で起こるので(38の確率で表のコインが2枚\frac{3}{8} の確率で表のコインが2枚)
これは二項分布です!

二項分布B(n, p)の形式で表す

試行回数nは10回、成功する確率pは3/8。

確率変数Xは、二項分布 B(10, 3/8) に従います。

公式から期待値・分散・標準偏差を求める

確率変数Xは、二項分布 B(10, 3/8) に従う。

n=10n=10

p=38p=\frac{3}{8}

q=1−p=58q=1-p=\frac{5}{8}

これらを公式に当てはめると

E[X]=npE[X]=np

=10×38=10 \times \frac{3}{8}

=154=\frac{15}{4}

V[X]=npqV[X]=npq

=10×38×58=10 \times \frac{3}{8} \times \frac{5}{8}

=7532=\frac{75}{32}

σ=npqσ=\sqrt{npq}

=10×38×58=\sqrt{10 \times \frac{3}{8} \times \frac{5}{8}}

=568= \frac{5\sqrt{6}}{8}

二項分布の公式で期待値・分散を求めよう!(3)の解説

箱の中に赤い球が3つ、白い球が7つ入っている。
この箱から球をひとつ取り出し、色を確認したのちにまた箱に戻す。
この操作を20回行うとき、赤い球を取り出す回数について期待値、標準偏差を求めよ。

確率変数Xの定義と二項分布に従うかのチェック

操作を20回行ったとき、赤い球を取り出す回数を確率変数Xとします。

成功する事象が毎回同じ確率で起こるので(310の確率で赤い球が出る\frac{3}{10} の確率で赤い球が出る)
これは二項分布です。

二項分布B(n, p)の形式で表す

試行回数nは20回、成功する確率pは3/10。

確率変数Xは、二項分布 B(20, 3/10) に従います。

公式から期待値・分散・標準偏差を求める

確率変数Xは、二項分布 B(20, 3/10) に従う。

q=1−p=710q=1-p=\frac{7}{10}

これらを公式に当てはめると

E[X]=npE[X]=np

=20×310=20 \times \frac{3}{10}

=6=6

V[X]=npqV[X]=npq

=20×310×710=20 \times \frac{3}{10} \times \frac{7}{10}

=215=\frac{21}{5}

σ=npqσ=\sqrt{npq}

=20×310×710=\sqrt{20 \times \frac{3}{10} \times \frac{7}{10}}

=1055= \frac{\sqrt{105}}{5}

二項分布の公式で期待値・分散を求めよう! 解法の整理

(1)(2)(3)で用いた解法の手順を整理しましょう。

確率変数Xの定義と、二項分布に従うかのチェック

B(n, p)の形式で表す

公式から期待値・分散・標準偏差を求める

どの問題もこの手順で解きました。

初見の問題を解く際にこの手順を意識してください。

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