高校数学B 「統計的な推測」 確率変数の変換で期待値・分散を求めよう! 問題解説

この記事は、高校数学B 「統計的な推測」 確率変数の変換を用いて期待値・分散を求める問題についての解説です。

この単元の考え方を学びたい方は
高校数学B「統計的な推測」 第3章 確率変数 Y=aX+b はいつ使う?|確率変数の変換!
こちらの記事から読んでください。

この記事で扱う問題[PDF]

解答はこちら[PDF]

ここからは各問題についてどのように解けばよいのかの解説を行います。

確率変数の変換で期待値・分散を求めよう(1)の解説

コインを3枚同時に投げる。

表の枚数1枚につき100円、裏の枚数1枚につき10円を賞金とする。

この時の収支について、期待値・分散を求めなさい。

確率変数X・Y を決める

ここで注意したいのが、「収支」を確率変数Xで置かないこと。

収支をXとしてしまうと、
100円、190円、280円、370円という値について確率分布を作ることになり、
計算が大変になってしまいます。

このような場合は求めたいもの(今回は収支)を確率変数Yとして、
収支を決める要因(今回はコインの表の枚数)を確率変数Xと置きます。

確率変数X … コインを3枚同時に投げた時の、表のコインの枚数
確率変数Y … 最終的な収支

Y = aX + b を立式する

表1枚につき100円、裏1枚につき10円なので

Y=100X+10(3−X)Y = 100X+10(3-X)

Y=90X+30Y = 90X+30

確率変数Xについて期待値・分散を求める

確率変数Xの期待値・分散を求めるには

  • 確率分布を表にまとめる
  • E[X], E[X²]の値を求める
  • 期待値・分散を求める

という手順を踏みます。

X00112233計
P18\dfrac{1}{8}38\dfrac{3}{8}38\dfrac{3}{8}18\dfrac{1}{8}11

確率の計算は省略。

表をもとに、E[X]とE[X²]を求めます。

E[X] を計算するには
確率変数×それが起こる確率 を足し合わせます。

E[X]=18(1×0+3×1+3×2+1×3)E[X]= \frac{1}{8}(1 \times0+3\times1 +3 \times2 +1 \times3)

=32= \frac{3}{2}

E[X²] を計算するには
(確率変数)²×それが起こる確率 を足し合わせます。

E[X2]=18(1×02+3×12+3×22+1×32)E[X^2]= \frac{1}{8}(1 \times0^2+3\times1^2 +3 \times2^2 +1 \times3^2)

=3= 3

E[X], E[x²]を用いて、確率変数Xの期待値と分散を算出します。

E[X]=32E[X]= \frac{3}{2}

V[X]=E[X2]−(E[X])2V[X]= E[X^2]-(E[X])^2

=3−94= 3-\frac{9}{4}

=34= \frac{3}{4}

確率変数Yについて期待値・分散を求める

ここは公式を用いてクリアします。

Y=90X+30Y = 90X+30

E[X]=32E[X]= \frac{3}{2}

V[X]=34V[X]= \frac{3}{4}

これらを用いて…

E[Y]=90×E[X]+30E[Y]= 90\times E[X] + 30

=90×32+30= 90\times \frac{3}{2} + 30

=165= 165

V[Y]=902×V[X]V[Y]= 90^2\times V[X]

=902×34= 90^2\times \frac{3}{4}

=6075= 6075

確率変数の変換で期待値・分散を求めよう!(2)の解説

コインを3枚同時に投げる。

表の枚数1枚につき100円もらい、裏の枚数1枚につき50円支払う。

この時の収支について、期待値・分散を求めなさい。

(1)と似ている問題です。
できる限り(1)で求めた数値を再利用したいですね。

どの値がリユースができるところで、どこが新しく考え直す箇所なのかを注意してください。

確率変数X・Y を決める

これはさきほどの(1)と同じです。

確率変数X … コインを3枚同時に投げた時の、表のコインの枚数
確率変数Y … 最終的な収支

Y = aX + b を立式する

表の枚数1枚につき100円もらい、裏の枚数1枚につき支払う。

XとYの関係は(1)とは異なるので注意してください。

Y=100X−50(3−X)Y = 100X-50(3-X)

Y=150X−150Y = 150X-150

確率変数Xについて期待値・分散を求める

確率変数の定義が(1)と同じなので、
その期待値・分散もやはり(1)と同じです。

X00112233計
P18\dfrac{1}{8}38\dfrac{3}{8}38\dfrac{3}{8}18\dfrac{1}{8}11

E[X]=32E[X]= \frac{3}{2}

V[X]=34V[X]= \frac{3}{4}

確率変数Yについて期待値・分散を求める

Y=150X−150Y = 150X-150

E[X]=32E[X]= \frac{3}{2}

V[X]=34V[X]= \frac{3}{4}

これらを用いて…

E[Y]=150×E[X]−150E[Y]= 150\times E[X] -150

=150×32−150= 150\times \frac{3}{2} -150

=75= 75

V[Y]=1502×V[X]V[Y]= 150^2\times V[X]

=1502×34= 150^2\times \frac{3}{4}

=16875= 16875

確率変数Xの定義と期待値・分散は(1)の値をリユースできます。
同じ確率変数Xについては、毎回確率分布から計算し直す必要はありません。

逆に、Y = aX + b の立式と確率変数Yの期待値・分散は考え直す必要があります。

確率変数の変換で期待値・分散を求めよう!(3)の解説

サイコロを3つ同時に投げる。

投げるサイコロを1つにつき10円支払い、3の倍数の目のサイコロ1つにつき40円もらい、それ以外の目の再キロ1つにき5円払う。

サイコロを投げ終えたときの収支について、期待値・分散を求めなさい。

確率変数X・Y を決める

確率変数X … サイコロを3個同時に投げた時の3の倍数の目が出るサイコロの個数
確率変数Y … サイコロを3回投げ終えたときの収支

Y = aX + b を立式する

サイコロを3回投げるためには30円支払う必要があるので注意。

Y=40X−5(3−X)−30Y = 40X-5(3-X)-30

Y=45X−45Y = 45X-45

確率変数Xについて期待値・分散を求める

確率変数Xについて確率分布を表にまとめます。

X00112233計
P827\dfrac{8}{27}1227\dfrac{12}{27}627\dfrac{6}{27}127\dfrac{1}{27}11

E[X]=127(8×0+12×1+6×2+1×3)E[X]= \frac{1}{27}(8 \times0+12\times1 +6 \times2 +1 \times3)

=1= 1

E[X2]=127(8×02+12×12+6×22+1×32)E[X^2]= \frac{1}{27}(8 \times0^2+12\times1^2 +6 \times2^2 +1 \times3^2)

=53= \frac{5}{3}

E[X]=1E[X]= 1

V[X]=E[X2]−(E[X])2V[X]= E[X^2]-(E[X])^2

=53−1= \frac{5}{3}-1

=23= \frac{2}{3}

確率変数Yについて期待値・分散を求める

Y=45X−45Y = 45X-45

E[X]=1E[X]= 1

V[X]=23V[X]= \frac{2}{3}

これらを用いて…

E[Y]=45×E[X]−45E[Y]=45\times E[X] -45

=45×1−45= 45 \times 1-45

=0= 0

V[Y]=452×V[X]V[Y]= 45^2\times V[X]

=452×23= 45^2\times \frac{2}{3}

=1350= 1350

期待値・分散・標準偏差を求めよう! 解法の整理

(1)(2)(3)で用いた解法の手順を整理しましょう。

  1. 確率変数X・Y を決める
  2. Y = aX + b を立式する
  3. 確率変数Xについて期待値・分散を求める
  4. 確率変数Yについて期待値・分散を求める

どの問題もこの手順で解きました。

初見の問題を解く際にこの手順を意識してください。

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