[数学Ⅰ] 二次不等式を攻略する|グラフを書けば暗記不要!

次の不等式を解きなさい。

(1) x2−6x+8>0x^2-6x+8>0

(2) x2−6x+9>0x^2-6x+9>0

(3) x2−6x+10>0x^2-6x+10>0

これら3題はよく似ているように見えますが、
ひとつひとつ解くための考え方が異なります。

それぞれどのように考えればよいのか
そもそもどうやって問題のタイプを見分けるのか

多くの学生が二次不等式の解法パターンの暗記に苦戦しているのを見かけます。

しかし、二次不等式は二次関数のグラフを書くことで、
パターンごとの暗記をせずに解くことができます。

この記事では、

  • x軸との共有点が2つの場合
  • x軸との共有点が1つの場合
  • x軸との共有点がない場合

に分けて、二次不等式の考え方を説明します。

最後に、問題の仕分け方・実際の問題を解くときの手順もまとめます。

二次不等式についてしっかりと整理して、
学校の試験や共通テストへの準備を始めましょう!

二次不等式のパターン分けはグラフの共有点が重要

まず、二次不等式ax2+bx+c>0ax^2+bx+c>0

を考えます。

これを二次関数y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+c

として考えてみましょう。

すると ax2+bx+c>0ax^2+bx+c>0 の範囲は、
グラフにおいて y>0y>0 を満たすxの範囲ということになります。

つまり、グラフがx軸より上にある部分を探せばよい
ということになります。

反対に、ax2+bx+c<0ax^2+bx+c<0

であれば、グラフがx軸より下にある部分を探します。

ここで重要になるのが、グラフとx軸との共有点(yの値が0である点)です。

共有点の個数が2個・1個・0個で、それぞれグラフのとらえ方が異なるので、
以降で一つずつ場合分けしてチェックしていきましょう!

x軸との共有点が2つの場合

まずは、二次関数のグラフがx軸と2点で交わる場合です。

x2−6x+8>0x^2-6x+8>0

この不等式について考えます。

まずは y=x2−6x+8y=x^2-6x+8 をグラフに書きます。

二次関数のグラフを書く場合、通常であれば平方完成を行いますが、
二次不等式を解くためのグラフは少し異なります。

二次不等式を解くために重要なのはx軸との共有点です。
頂点ではなく、x軸との交点が分かるようにグラフを書きましょう。

まずは因数分解ができるか確認してください。

y=x2−6x+8y=x^2-6x+8

y=(x−2)(x−4)y=(x-2)(x-4)

この場合、x軸との共有点は(2, 0)と(4, 0)です。

これをもとにグラフを書きます。

このグラフにおいてx軸より上の部分に着目しましょう。

そしてその部分のx座標がどこからどこなのか、x軸に直接書き込んでしまいましょう。
(x軸に影を落とすイメージです。)

一次不等式を数直線で解くのと同じように、x軸でこの不等式を解くと

x<2, 4<xx<2,\ 4<x

これでクリアです!

x2−6x+8<0x^2-6x+8<0

この場合もグラフを使って解きます。
今回はグラフがx軸より下の部分について、x軸に影を落として考えると…

2<x<42<x<4

となります。

x軸との共有点が1つの場合

次に、二次関数がx軸と1点だけで接する場合です。

x2−6x+9>0x^2-6x+9>0

この不等式について考えます。

y=x2−6x+9y=x^2-6x+9

まずは因数分解ができるかチェックすると

y=(x−3)2y=(x-3)^2

x軸との共有点は(3, 0)ですね。先ほどと違って共有点は一つだけです。

これもグラフを書いて考えましょう。
x軸と1点だけで接することに注意してください。

このグラフにおいて、x軸よりも上の部分について考えると

x = 3 以外のすべての部分でx軸よりも上になっていますね。
x = 3 のときは y = 0 となっているのでアウトです。

したがって、この不等式の解は x<3, 3<xx<3,\ 3<x

または x≠3x≠3 や 3を除くすべての実数 と答えてもよいです。

一方、

x2−6x+9<0x^2-6x+9<0

なら、グラフがx軸より下になることはないので、

解なし となります。

このように、x軸との共有点が1つの場合は、共有点が2つの場合とは異なる答え方になります。

多くの高校生はこのパターン暗記に苦戦をしていますが、
グラフを書けばそのような苦労を回避できます。

グラフを書いて題意に合う範囲を考えることを徹底しましょう。

x軸との共有点がない場合

最後に、二次関数がx軸と交わらない場合です。

x2−6x+10>0x^2-6x+10>0

この不等式について考えます。

実は x2−6x+10x^2-6x+10 は因数分解ができません。

x2−6x+10=0x^2-6x+10=0 は実数解をもちません。
つまり、y軸との共有点もありません。

この場合は、x軸と二次関数がぶつからないようにグラフを書きます。

グラフに頂点のx座標を書くとかえってややこしくなるので、
x座標は何も書き込まないようにしましょう。

このグラフでx軸より上の部分を考えると、

今回はすべての部分がx軸よりも上ですね。

よって解は すべての実数 です。

逆に x2−6x+10<0x^2-6x+10<0 の場合は

x軸より下の部分についてチェックをします。

グラフより該当する部分はないので、

解なし が答えです。

判別式を使えば共有点の数が分かる

ここまで、

  • x軸との共有点が2つ
  • x軸との共有点が1つ
  • x軸との共有点がない

という3つの場合に分けて考えてきました。

では、共有点の数はどうやって判断すればよいのでしょうか?

ここで登場するのが判別式です。

  • D>0 → x軸と2点で交わる
  • D=0 → x軸と1点で接する
  • D<0 → x軸と交わらない

となります。

判別式について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

→ 判別式はどう使う?二次方程式・二次関数での使い方

判別式は必ず使わないとだめ?

二次関数とx軸との共有点が重要なら、毎回判別式を使わないといけないの?

ここまでの説明を聞いてそう思った方もいると思います。

結論から言うと、因数分解できる場合は因数分解してOKです!

確かにグラフを書くためには共有点の個数は重要なのですが、
因数分解してしまえば明確にその個数はわかりますよね。

y=(x−1)2y=(x-1)^2 … 共有点は1つ

y=(x−1)(x−4)y=(x-1)(x-4) … 共有点は2つ

x軸を数直線として見る際に、共有点のx座標がいくつなのかの情報はマストです。

よって因数分解できる場合は因数分解しましょう!

判別式が登場するのは因数分解できるか分からない時です。

x2−2x−4<0x^2-2x-4<0

これは有理数の範囲では因数分解ができません。

しかし、共有点がないわけでもありません。

(1−5, 0)(1-\sqrt{5},\ 0) (1+5, 0)(1+\sqrt{5},\ 0) これら二つの共有点を持ちます。

よってグラフを書くと 1−5<x<1+51-\sqrt{5}<x<1+\sqrt{5} が解と分かります。

x2−2x+4>0x^2-2x+4>0

これは共有点を持たないので、
グラフより すべての実数 が書いてあることが分かります。

このように、因数分解ができなくてかつ解の個数(共有点の個数)が分からないときに
アシストとして判別式を使いましょう
。

二次不等式を実際に解くための流れ

ここまでの内容を使って、二次不等式を解いてみましょう。

解き方の流れは以下の通りです

  • 因数分解できるか考える
  • 共有点の座標を特定する
  • グラフを書く
  • x軸を数直線と見立てて答える

特に共有点の座標を特定するのセクションは難しいです。

  • 因数分解できている場合…そのまま答える
  • 因数分解できいない場合…判別式の値を求める
    • 0以上の数であれば解の公式で座標を特定する
    • 負の数であれば共有点無し

実際にこの流れに乗って例題を2問解いてみましょう。

x2−2x−3>0x^2-2x-3>0 を解く

STEP1 因数分解できるか考える

x2−2x−3>0x^2-2x-3>0

(x−3)(x+1)>0(x-3)(x+1)>0

この式は因数分解できますね。

STEP2 共有点の座標を特定する

(x−3)(x+1)=0(x-3)(x+1)=0 の解がx軸との共有点です。

(−1, 0), (3, 0)(-1,\ 0),\ (3,\ 0)

STEP3 グラフを書く

共有点が2つの形でグラフを書きます。

STEP4 x軸を数直線と見立てて答える

x<−1, 3<xx<-1,\ 3<x がこの不等式の解です。

x2−2x+3<0x^2-2x+3<0 を解く

STEP1 因数分解できるか考える

ぱっと因数分解はできなさそうですね。

STEP2 共有点の座標を特定する

x2−2x+3=0x^2-2x+3=0 について判別式Dを計算しましょう。

D4=1−3=−2<0\frac{D}{4}=1-3=-2<0

判別式が負なので実数解をもちません。

よって y=x2−2x+3y=x^2-2x+3 はx軸と共有点をもちません。

STEP3 グラフを書く

共有点がない形です。

STEP4 x軸を数直線と見立てて答える

グラフより、すべての実数が解です。

まとめ

二次不等式を解くときの最大のポイントは、二次関数のグラフを利用することです。

グラフを書く際に重要なのが共有点の座標。

この情報をもとにグラフを書いてy軸より上か下かで判断して解く。

グラフの形によって答え方が大きく異なることは把握しつつも、
どのパターンが来ても同じように解くことが二次不等式攻略の肝です!

二次関数をまとめて整理したい方へ

平方完成・グラフの書き方・判別式など、
二次関数を学ぶ上でつまずきやすいポイントをまとめています。

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