2026年(令和8年度) 共通テスト 化学基礎 過去問 解説
はじめに
2026年度(令和8年度)共通テスト 化学基礎 過去問についての解説記事です。
大学受験の対策、学校の成績や模試の偏差値を上げるためにご活用ください。
共通テスト 化学基礎 解説の見方
各問題について以下のように記載しています。
解説の見方
問1 単元名
問題の種類
難易度★☆☆
答え:〇〇
解法・身に付けるべきこと
単元名
各問題ごとに単元名を記載しています。
その関連問題を復習する際にご活用ください。
問題の種類
(1)知識問題
覚えた知識をもとに解く問題です。
基本的には得点必須の問題です。
知識問題の中でも正誤問題は高難度の問題が出題されやすいです。
「誤ったものを選ぶ・正しいものを選ぶ」を逆に見て勘違いしないようにも注意してください。
(2)計算問題
解答のために計算が必要な問題です。
典型的な問題は得点必須です。
学校の問題集では見かけない、共通テスト特有の計算問題は要練習です。
難易度の分類
☆☆☆ … 6割以上得点したい人向け
☆☆★ … 8割以上得点したい人向け
☆★★ … 9割以上得点したい人向け
★★★ … スルー推奨の難問
解法・身に付けるべきこと
解法のために必要な知識・計算方法を簡単に解説します。
間違えた問題・考え方が分からない問題の解決にご活用ください。
大問1
大問1は小問集合です。
問1電子配置
知識問題
難易度☆☆☆
答え:4
電子配置の異なるイオンを答える問題です。
周期表をしっかりと覚えて必ず正答しましょう。
問2 同位体の性質
知識問題
難易度☆☆☆
答え:1
同位体の性質に関する正誤問題です。
同位体は中性子の数が異なることは必ず覚えておきましょう。
問3 元素の含有率
計算問題
難易度☆☆★
答え:3
ケイ素原子が99個に対して鉄原子が1個の割合で含まれている試料の
鉄の含有率(質量パーセント)を求める問題。
原子の個数と物質量は比例するので、
ケイ素原子99molに対して鉄原子1mol と考えます。
ケイ素の原子量は28
鉄の原子量は56
鉄の含有率は で求められるので
混合物の見かけの質量・構成比・元素の含有率は解法が似ているので
セットで覚えましょう。
空気の平均分子量とは?混合物の平均分子量の求め方をわかりやすく解説|文系のための高校化学基礎
問4 酸化数の計算
計算問題
難易度☆☆☆
答え:1
酸化数の計算方法は得点必須です。
必ず計算方法を覚えましょう。
問5 分子の性質
知識問題
難易度☆☆★
答え:6
「硫酸バリウムが水に溶にくい」は難しい知識問題です。
「塩化ナトリウム・ショ糖が水に溶ける」ことから逆算できると良いです。
「塩化ナトリウムが電解質」は必須の知識です。
電離とその役割についてよく復習しておきましょう。
問6 分子の極性
知識問題
難易度☆☆☆
答え:3
水、アンモニアは極性分子で
二酸化炭素は無極性分子です。
一つ一つの暗記でも対応はできますが、
極性の考え方を身に付けた方が安定して得点できます。
問7 溶解度
計算問題
難易度☆☆☆
答え:2
200gの水に100 g の KNO₃ を溶かした 40℃の水溶液について、
この水溶液を20℃に冷却したときに析出する KNO₃の質量を求める問題。
溶解度曲線から20℃の水100gに解けるKNO₃ が31.5g程度であることを確認。
このことから水200gには63g程度のKNO₃が解けることが分かるので、
析出する KNO₃の質量は、
100 – 63 = 37g と分かります。
溶解度の計算は得点必須です。
問8 蒸留
知識問題
難易度☆☆★
答え:3
蒸留するための実験器具とその操作に関する正誤問題です。
リービッヒ冷却器の冷却水は、下部から上部に流れるようにする必要があります。
他の問題と比べると少し難易度の高い問題です。
蒸留や滴定は器具の使い方を覚えておけると良いです。
問9 電離度の計算
計算問題
難易度☆☆☆
答え:2
濃度が 0.050 mol/Lである1価の弱酸の水溶液について、
この水溶液の25℃における pH の値が 3.0 であった。
この弱酸の電離度を求める問題です。
電離度をaとすると、
濃度×電離度×価数とpHの関係より
0.050 × a × 1 = 1.0 × 10⁻³
a = 2.0 × 10⁻²
pHや電離度の計算は得点必須です。
問10 溶液の濃度の計算
計算問題
難易度☆★★
答え:5
ワークではあまり見かけない、共通テスト特有の問題です。
塩酸の濃度をcとして、与えられた情報からcの範囲を求めます。
CaCO₃ + 2 HCI → CaCl₂ + H₂O + CO₂
表よりHClが反応しきったのは、
CaCO₃ 0.40g から0.60g の間。
物質量で表すと、
CaCO₃ 0.0040mol から0.0060mol の間。
化学反応式の係数の関係より、
このとき存在したHCl は 0.0080mol から0.0120mol の間。
塩酸の体積は0.10Lなので、
HCl の濃度cは 0.08mol から0.12mol の間。
もちろん8.0 × 10⁻³ mol のように問題集でよく使う形で計算してもよいですが、
共通テストにおいては答えの選択の書かれ方によって10⁻²などを使わない方法も有力です。
大問2
大問2はあるテーマに関する問題です。
問題文中に知らない語句が出てきてもあわてる必要はありません。
設問は基本的に、化学基礎の知識で解けるものばかりです。
2026年度は、鉱物資源などを原料としてつくられている肥料がテーマです。
問1 a カルシウムとマグネシウムに関する問題
知識問題
難易度☆☆☆
答え:2
カルシウムとマグネシウムに関する正誤問題です。
カルシウムとマグネシウムはアルカリ土類金属であることは暗記必須です。
問1 b 酸・塩基の強弱
知識問題
難易度☆☆☆
答え:4
酸・塩基の強弱は暗記必須です。
最初に覚えるべき酸・塩基一覧 おすすめの暗記方法|文系のための高校化学基礎
問2 a 混合物の元素比率
計算問題
難易度☆★★
答え:8
(NH₄)₂HPO₄ と (NH₄) H₂PO₄ からなる混合物において、
(NH₄) H₂PO₄ の質量の割合が増えると、窒素NとリンPのそれぞれの含有率(質量パーセント)はどのように変わるかという問題。
意外と学校ワークでは見かけない、共通テスト特有の問題ですね。
(NH₄)₂HPO₄ の式量は132
(NH₄) H₂PO₄ の式量は115
混合物の質量を変化させないまま (NH₄) H₂PO₄の割合を増やすように考えます。
式量より(NH₄)₂HPO₄ が115個と(NH₄) H₂PO₄が132個の質量は等しい。
よって(NH₄)₂HPO₄ が115個減るたびに(NH₄) H₂PO₄が132個増えます。
この時、
Nは230個減って132個増える → トータルで減少
Pは115個減って132個増える → トータルで増加
類題が少ないため高難度です。
問2 b 白色粉末の物質の区別
知識問題
難易度☆★★
答え:1
KClと各物質との区別方法を答える正誤問題です。
問題形式としては共通テスト特有です。
KClは水に溶けると中性
NH₄Clは水に溶けると酸性
よってこれらはフェノールフタレイン溶液で区別できません。
問題形式も相まってかなり難しい問題です。
中和点のpHは7? 指示薬の選び方も解説|文系のための高校化学基礎
問3 a 酸化還元反応
知識問題
難易度☆☆☆
答え:6
酸化還元反応の見分けは正答必須です。
酸化数の変化をチェックしましょう。
問3 b 酸化還元反応
計算問題
難易度☆☆★
答え:3
それほど簡単ではありませんが、他の難問と比べると得点しておきたい問題です。
資料の総量は0.100g。
表より信号の強さとNの質量の関係を見抜きます。
信号の強さ60につきNの質量は0.004g。
信号の強さが210の時、Nの質量は0.014g。
Nの質量は0.014gのときのCaCN₂ (式量 80)の質量mをを求めます。
28 : 80 = 0.14 : m
m = 0.040g
求める質量パーセント濃度は
40%と分かります。
総評・得点ごとにやるべきこと
| ☆☆☆ | 6割以上得点したい人向け | 27点 |
| ☆☆★ | 8割以上得点したい人向け | 13点 |
| ☆★★ | 9割以上得点したい人向け | 10点 |
| ★★★ | スルー推奨の難問 | 0点 |
6割以下の方へ
まずは正誤問題の見間違えをゼロにすることから始めましょう。
意外と多くの生徒が「正しいもの・誤ったもの」を見間違えて失点することがあります。
6~8割の方へ
☆☆★のうち、大問1の問3か問5が解ければ30点(6割)得点可能です。
どちらも問題のタイプが違うので、自分が得意な方が解ければオーケーです。
☆☆★の残りの問題は難しいものの教科書や学校ワークでも見かける問題です。
よく復習をして基礎を固めましょう。
8割以上の方へ
☆☆★まで完答できていれば基礎固めは十分です。
これ以上の演習は、取りたい点数と使える時間・モチベーションで判断してください。
別科目に時間を割くことも一つの戦略です。
さらに得点を伸ばしたい場合は…
知識・計算問題で得点の偏りがある場合は、まずはそれを解決することをおすすめします。
☆★★の問題は共通テスト特有のものが多いので、
過去問を解いて自分のワークで再度復習を繰り返しましょう。

