【共通テスト対策】中和滴定の計算方法|文系のための高校化学基礎

「中和滴定の計算方法がよく分からない……」

「化学反応式を書いているうちに何を計算しているのか分からなくなる……」

このような悩みを持つ高校生は少なくありません。

中和滴定は酸・塩基の中でも特に難しい単元ですが、
計算の流れを理解すれば確実に解くことができます。

濃度 × 体積 × 価数

この計算式を使いこなして中和滴定の計算手順を身に付けることが、この記事の狙いです。

この記事を読んで、中和滴定の計算方法をマスターし、定期テストや共通テストに備えましょう!

中和滴定とは?

中和滴定とは、酸と塩基を反応させて、未知の濃度などを求める実験です。

共通テストや定期テストでは、中和滴定を利用した溶液の濃度の特定がよく問われます。

例えば…

0.20 mol/Lの塩酸10 mLに、
濃度が分からない水酸化カルシウムを少しずつ加え、
8.0 mL加えた時点でちょうど中和点に達した(中和しきった)。

このように、中和するまでに加えた体積から未知の濃度を求めるものが、
化学基礎における中和滴定の典型的な問題です。

中和滴定の計算の指針

中和滴定における重要ポイントは、中和点に達しているということ。

つまりその溶液中において、酸が放出するH⁺と塩基が放出するOH⁻の量(mol)が等しいということです。

0.20 mol/Lの塩酸10 mLに、
濃度が分からない水酸化カルシウムを少しずつ加え、
8.0 mL加えた時点でちょうど中和点に達した(中和しきった)。

先ほど挙げた例でいうと、
塩化水素の電離で生じるH⁺の量と、
水酸化カルシウムの電離で生じるOH⁻の量が等しいということ。

この関係をもとに溶液の濃度を求めます。

酸・塩基が放出するH⁺・OH⁻の量の求め方

「酸が放出するH⁺と塩基が放出するOH⁻の量(mol)が等しい」ということを先ほど説明しました。

次は、酸・塩基が放出するH⁺・OH⁻の物質量の計算方法を確認しましょう。

0.20 mol/Lの塩酸10 mLが電離したときに放出するH⁺

x mol/Lの水酸化カルシウム水溶液8.0 mLが電離したときに放出するOH⁻

水酸化カルシウム水溶液の濃度は現時点ではわからないので、
文字xを使って表します。

この場合の塩化水素が放出するH⁺、水酸化カルシウムが放出するOH⁻を実際に計算しましょう。

0.20 mol/Lの塩酸10 mLが電離したときに放出するH⁺

まずは塩化水素の物質量を求めましょう。

物質量は濃度(mol/L)×体積(L)で求めることができます。

※体積はLに変換することに注意!
10mL10×103L10mL → 10 \times 10^{-3} L

0.20×10×103=2.0×1030.20 \times 10 \times 10^{-3} =2.0 \times 10^{-3}

溶液中に存在する塩化水素は 2.0×103mol2.0 \times 10^{-3} mol です。

つづいて放出されるH⁺の物質量について考えます。

HCl 1mol につきH⁺がどれだけ放出されるのか。

電離の式: HCl → H⁺ + Cl⁻

HCl 1mol につき放出されるH⁺は1molです。

※酸 1mol につき放出されるH⁺の量のことを酸の価数と呼びます。

先ほど求めた酸の量に酸の価数をかけましょう。

2.0×103×1.0=2.0×1032.0 \times 10^{-3} \times 1.0 =2.0 \times 10^{-3}

よって、塩化水素が放出するH⁺は 2.0×103mol2.0 \times 10^{-3} mol です。

実際に問題を解く際には、酸のmol → H⁺のmol のような段階を踏まずに一気に考えます。

濃度 × 体積 で酸の量を求めて、それに価数をかけてH⁺の量を求める。
これを一気に行います。

H⁺の量 = 濃度 × 体積 × 価数

0.20×10×103×1=2.0×1030.20 \times 10 \times 10^{-3}\times1 =2.0 \times 10^{-3}

このように経由を挟まずにH⁺の量を求めることができます。

x mol/Lの水酸化カルシウム水溶液8.0 mLが電離したときに放出するOH⁻

濃度が分からない場合も、文字を用いることでOH⁻の物質量を表すことができます。

H⁺の量 = 濃度 × 体積 × 価数

OH⁻の量も同じように計算することができます。

OH⁻の量 = 濃度 × 体積 × 価数

濃度と体積は問題文から分かります。

価数はすでに覚えていれば問題なし。
まだ覚えられていない場合は電離の式からチェックしましょう。

Ca(OH)₂ → Ca²⁺ + 2OH⁻

価数は2です。これらを公式に当てはめて計算をすると、

x×8×103×2=16×x×103x \times 8 \times10^{-3}\times 2 =16\times x \times 10^{-3}

水酸化カルシウムが放出するOH⁻の量は 16×x×103mol16\times x \times 10^{-3} mol と分かります。

このようにして求めたH⁺とOH⁻の量から、溶液の未知の濃度を調べることができます。

中和滴定の濃度の求め方

塩化水素の電離で生じるH⁺の量と、
水酸化カルシウムの電離で生じるOH⁻の量が等しい。

塩化水素が放出するH⁺の量は 2.0×103mol2.0 \times 10^{-3} mol

水酸化カルシウムが放出するOH⁻の量は 16×x×103mol16\times x \times 10^{-3} mol

これらをもとに等式を立てます。

2.0×103=16×x×1032.0 \times 10^{-3} = 16\times x \times 10^{-3}

この方程式を解くと、

2=16x2 = 16x

x=18=0.125x = \frac{1}{8}=0.125

有効数字を2桁とすると、
水酸化カルシウム水溶液の濃度は0.13mol/L とわかります。

中和滴定の計算手順まとめ

0.20 mol/Lの塩酸10 mLに、
濃度が分からない水酸化カルシウムを少しずつ加え、
8.0 mL加えた時点でちょうど中和点に達した(中和しきった)。

この記事を通して水酸化カルシウム水溶液の濃度を特定しました。

その手順を改めて整理しましょう。

中和滴定は、次の3つの手順で計算できます。

手順① 問題文から酸と塩基を見つける

問題文に載っているどの物質が酸・塩基なのかをチェックします。

問題によっては酸・塩基が複数入っている場合もあるので注意しましょう。

今回の問題では、

酸:塩化水素
塩基:水酸化カルシウム

ですね。

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手順② 酸が放出するH⁺、塩基が放出するOH⁻の量を計算する

H⁺・OH⁻の量 濃度 × 体積 × 価数

手順①で見つけた酸・塩基についてそれぞれ計算をします。

塩化水素:
0.20mol/L, 10 × 10⁻³L, 1価の酸なので

0.20×10×103×1=2.0×1030.20 \times 10 \times 10^{-3}\times1 =2.0 \times 10^{-3}

水酸化カルシウム:
xmol/L, 8 × 10⁻³L 2価の塩基なので

x×8×103×2=16×x×103x \times 8 \times10^{-3}\times 2 =16\times x \times 10^{-3}

体積はLに直して計算しましょう。

手順③ H⁺の量=OH⁻の量から未知の濃度を求める

塩化水素:
0.20×10×103×1=2.0×1030.20 \times 10 \times 10^{-3}\times1 =2.0 \times 10^{-3}

水酸化カルシウム:
x×8×103×2=16×x×103x \times 8 \times10^{-3}\times 2 =16\times x \times 10^{-3}

これらをもとに等式をたてて、xを求めます。

2.0×103=16×x×1032.0 \times 10^{-3} = 16\times x \times 10^{-3}

2=16x2 = 16x

x=18=0.125x = \frac{1}{8}=0.125

水酸化カルシウム水溶液の濃度は0.13mol/L。

この手順で解けるように練習をしましょう!

まとめ

中和滴定の手順について解説を行いました。

まずは酸・塩基が見抜けるように一覧を覚えましょう。

それから 濃度 × 体積 × 価数 の公式を用いて方程式を立てられるように練習をしましょう。

実際の入試問題では想像以上に問題の文章量が多いですが、
ここで学んだ手順を使って落ち着いて解けるようにしてください。

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