【共通テスト対策】中和反応はどう見分ける?|文系のための高校化学基礎

共通テストでは、「これは中和反応か」「これは酸化還元反応か」といった反応式を見分ける問題がよく出題されます。

中和反応は比較的見分けやすい反応ですが、「水ができれば中和」と覚えてしまうと間違える問題もあります

この記事では「中和反応を見分ける方法」についてまとめています。

共通テストや定期テストで化学基礎を受ける方は、
この記事で「中和反応を見分ける方法」についてマスターしましょう!

中和反応とは?

中和反応とは、
酸と塩基が反応して、水と塩ができる反応
のことです。

例: HCl + NaOH → NaCl + H₂O

この反応では

  • 塩酸 HCl (酸)
  • 水酸化ナトリウム NaOH(塩基)

が反応して

  • 水 H₂O
  • 塩化ナトリウム NaCl (塩)

ができています。

中和反応の本質

中和反応では、実際には何が反応しているのでしょうか。

例: HCl + NaOH → NaCl + H₂O

さきほどの例をもう一度見ましょう。

中和反応は通常、水溶液中で起こります。

そのため、酸や塩基は水中で電離し、H⁺やOH⁻を生じています。

HCl → H⁺ + Cl⁻
NaOH → Na⁺ + OH⁻

この電離しているH⁺ と OH⁻ が結び付くことで、水ができます。

H⁺ + OH⁻ → H₂O

一方、Cl⁻ と Na⁺ は反応に関与せず、水溶液中に残ります。

この2つのイオンが組み合わさったものがです。

つまり中和反応の本質は、
電離したH⁺ と OH⁻ が反応して水をつくり、残ったイオンが塩になること。

電離の式まで考えると、中和反応の本質がよく理解できます。

中和反応はどう見分ける?

次の4つの反応のうち、中和反応を選びなさい。

① H₂SO₄ + Ca(OH)₂ → CaSO₄ + 2H₂O

② Na₂CO₃ + 2HCl → 2NaCl + H₂O + CO₂

③ 2H₂O₂ → 2H₂O + O₂

④ CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O

実際にこのような問題が出題されたときの考え方を解説します。

まずダメなやり方は、
生成物に水があるものを選ぶということ。

中和は水ができる。だから水ができているものを選ぼう!

これは間違ってはいませんが、答えが絞り切れない可能性が高いです。

理由は、中和反応以外にも水が生成される反応があるからです。

実際、今回の問題は①から④すべての式で水が生成されているので、
これをもとに答えを絞ることはできません。

ではどうすればよいのか?

中和反応は「生成物」ではなく「反応物」を見ることがポイントです。

反応物として酸と塩基が使われているかをチェックしてください。

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次の4つの反応のうち、中和反応を選びなさい。

① H₂SO₄ + Ca(OH)₂ → CaSO₄ + 2H₂O

② Na₂CO₃ + 2HCl → 2NaCl + H₂O + CO₂

③ 2H₂O₂ → 2H₂O + O₂

④ CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O

まず③と④は酸も塩基も登場していないため中和反応ではないですね。

②はどうでしょうか。

Na₂CO₃ + 2HCl → 2NaCl + H₂O + CO₂

HClは酸ですが、Na₂CO₃は塩基ではなく塩です。

これは実は弱酸遊離という反応で、
高校化学基礎では中和反応として扱いません。

残る①について。

H₂SO₄ + Ca(OH)₂ → CaSO₄ + 2H₂O

H₂SO₄ は硫酸(酸)
Ca(OH)₂ は水酸化カルシム(塩基)

この式は酸と塩基が反応しているため中和反応です

高校化学基礎で扱う中和反応は、反応物に酸と塩基が含まれていることが特徴です。

まずは反応物を見て、酸と塩基があるかを確認しましょう。

見抜きにくい中和反応

ここまでは、

酸と塩基が反応して水と塩ができるものが中和反応

と説明してきました。

しかし、中には一見すると中和反応に見えないものもあります。

NH₃ + HCl → NH₄Cl

例えば、アンモニアと塩酸の反応です。

この反応式を見ると、水ができていません。

そのため「これは中和反応ではないのでは?」と思うかもしれませんね。

しかし、この反応も中和反応です。

この反応でも確かに水は生成されています。

ではなぜ反応式に水が登場しないのか。

酸・塩基の電離式を書くと理由が分かりやすいです。

HCl → H⁺ + Cl⁻

NH₃ + H₂O ⇄ NH₄⁺ + OH⁻

つまり中和反応の本質は、
電離したH⁺ と OH⁻ が反応して水をつくり、残ったイオンが塩になること。

今回もH⁺ と OH⁻ からH₂Oが、
Cl⁻とNH₄⁺ からNH₄Cl が塩として生成されます。

ではなぜ、化学反応式でH₂Oが現れなかったのか。

HCl → H⁺ + Cl⁻

NH₃ + H₂O ⇄ NH₄⁺ + OH⁻

二つの電離の式を足すと、

HCl + NH₃ + H₂O→ H⁺ + Cl⁻ + NH₄⁺ + OH⁻

H⁺ と OH⁻ からH₂Oが、
Cl⁻とNH₄⁺ からNH₄Cl が生成されることを考慮すると、

H⁺ + Cl⁻ + NH₄⁺ + OH⁻ → H₂O + NH₄Cl

つまり、

HCl + NH₃ + H₂O → H₂O + NH₄Cl

式の左右にH₂Oがあるためそれを取り除くと、

HCl + NH₃ → NH₄Cl

このように、実際には水が生成されていますが、
反応前後で水の量が変化しないため式からは省略されているのです。

このような場合でも反応物が酸・塩基であることは変わりないので、
中和反応の見分けは水ではなく酸・塩基が使われているかで確認しましょう!

まとめ

中和反応を見分けるときは、生成物ではなく反応物を確認しましょう。

酸と塩基が反応していれば、中和反応である可能性が高いと判断できます。

まずは酸・塩基の一覧をしっかり覚え、反応式を見た瞬間に見分けられるよう練習してみてください。

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