【共通テスト対策】pHの計算方法をわかりやすく解説|文系のための高校化学基礎
「pHの計算方法がよく分からない」
「酸と塩基でやり方が変わるの?」
定期テスト前に酸・塩基の授業を行うと、
結構多くの生徒がこの「pHの計算方法」でつまづいています。
pHの計算方法やその変化の追い方は確かに難しいですが、
手順や場合分けがしっかりとできていれば確実に解くことができます。
pHって何?
pHってどう計算するの?
酸・塩基からpHを求めるには?
この記事ではこれらの疑問について、
文型の高校生にもわかりやすく解説をします。
この記事を読んで「pHの計算方法」をマスターして、
定期テストや共通テストに備えましょう!
pHとは?

pHとは、溶液中の水素イオン濃度を表す指標です。
ここでいう濃度とは水溶液1Lあたり何molのH⁺が含まれているかということです。
溶液中の水素イオンの濃度は非常に小さい値なので、
そのまま用いるのではなく、対数を用いてpHとして表します。
pH = −log[H⁺]
この式を見ると難しく感じますが、
化学基礎ではもっと簡単に考えることができます。
対数をまだ習っていない人向けに、もっと簡単に説明すると
H⁺の濃度が1.0 × 10⁻ª (mol/L)と表せるとき、
pH = a となります。
※化学基礎では対数を使わなくとも解ける問題がほとんどです。
ここで一つ注意してほしいのは、
H⁺の濃度が高いほど、pHの値は低いということ。
よく勘違いしている生徒が多いので、
間違えないように気を付けてください!
pHと酸性・中性・塩基性の関係
高校化学基礎では、pHはおおむね0〜14の範囲で扱います。
そしてその数値からその溶液が
酸性・中性・塩基性のいずれかなのか
酸性や塩基性の強さ
が分かります。
pH = 7 が中性、
pH < 7 が酸性、
pH > 7 が塩基性です。
※発展的には、非常に濃い酸や塩基では pH が0未満や14を超えることもあります。
そしてpHが7より小さいほど酸性が強くなり、
pHが7より大きいほど塩基性が強くなります。
ここで注意したいのが、
pHから分かることはあくまで酸性・塩基性の強さということ。
強酸だから必ずpHが小さい、強塩基だから必ずpHが大きいというわけではありません。
pHはどう計算する? H⁺の濃度が直接与えられている場合

ここからは実際にpHの計算方法について解説をします。
まずはH⁺の濃度が直接与えられている場合から見ましょう。
各問のpHを求めなさい。
(1)H⁺の濃度が1.0 × 10⁻²(mol/L)
(2)H⁺の濃度が1.0 × 10⁻⁹(mol/L)
H⁺の濃度が1.0 × 10⁻ª (mol/L)と表せるとき、pH = a
これをもとにpHを計算します。
(1)1.0 × 10⁻²(mol/L) より、pH = 2
(2)1.0 × 10⁻⁹(mol/L)より、pH = 9
ー2やー9と答えないように注意しましょう。
実際の試験では、H⁺濃度が直接与えられる問題よりも、酸の濃度や電離度から求める問題の方が多く見られます。
次は酸の濃度と電離度が与えられている場合についてチェックしましょう。
pHはどう計算する? 酸の濃度と電離度が与えられている場合
各問のpHを求めなさい。
(1)1.0 × 10⁻²(mol/L)の塩酸 (電離度は1)
(2)1.0 × 10⁻³(mol/L)の酢酸水溶液 (電離度は0.01)
先ほどの問題とはかなり様子が違いますね。
H⁺ の濃度ではなく酸の濃度や電離度が与えられています。
この問題を解くには新しい考え方を身に付ける必要があります。
酸の濃度の見方
まずは酸の濃度の見方を確認しましょう。
1.0 × 10⁻²(mol/L)の塩酸には、
1Lの溶液中に塩化水素が1.0 × 10⁻²mol 含まれています。
ここからH⁺ の濃度を求めることができれば
先ほどと同じようにpHが求められますね。
酸の濃度からH⁺ の濃度を求めるためにカギとなる要素は二つ。
それは価数と電離度です。
それぞれどのような意味の語句なのか覚えましょう。
価数とは
価数とは、
酸1molが放出できるH⁺の数(塩基が放出できるOH⁻の数)のことです。
1molあたりの酸が何molのH⁺を放出するか
1molあたりの塩基が何molのOH⁻を放出するか
を表しています。
酸・塩基どちらについても価数という言葉を使います。
価数は問題文で与えられるのではなく自分で求める値です。
電離の式をもとに求めることができます。
塩化水素の価数は…
HCl → H⁺ + Cl⁻
HCl 1mol からH⁺ が1mol 放出されているので、
塩化水素の価数は1です。
水酸化カルシウムは…
Ca(OH)₂ → Ca²⁺ + 2OH⁻
Ca(OH)₂ 1mol からOH⁻ が2mol 放出されているので、
水酸化カルシウムの価数は2です。
酸や塩基の名称から化学反応式が瞬時に思い浮かべられない方は、
最初に覚えるべき酸・塩基一覧 おすすめの暗記方法で確認をしましょう。
電離度とは
酸・塩基は、
溶液中で完全に電離するものもあれば一部しか電離しないものもあります。
この電離する割合を電離度と言います。
電離度1であれば完全に電離、
0.01 であれば全体の1%だけ電離します。
電離度はその溶液の種類や温度によって異なるので、
通常は問題文に与えられています。
酸の濃度・価数・電離度について整理をしました。
それらをもとにpHの計算に戻りましょう!
各問のpHを求めなさい。
(1)1.0 × 10⁻²(mol/L)の塩酸 (電離度は1)
(2)1.0 × 10⁻³(mol/L)の酢酸水溶液 (電離度は0.01)
酸の濃度・価数・電離度を用いるとH⁺の濃度を求めることができます。
(H⁺ の濃度)=(酸の濃度)×(価数)×(電離度)
これをもとに計算しましょう。
(1)1.0 × 10⁻²(mol/L)の塩酸 (電離度は1)
塩化水素の価数は1です(HCl → H⁺ + Cl⁻)
(H⁺ の濃度)=1.0 × 10⁻²×1×1
=1.0 × 10⁻²
よってpH は2
(1)1.0 × 10⁻³(mol/L)の酢酸水溶液 (電離度は0.01)
酢酸の価数は1です(CH₃COOH ⇄ H⁺ + CH₃COO⁻)
(H⁺ の濃度)=1.0 × 10⁻³ × 1 ×0.01
=1.0 × 10⁻⁵
よってpH は5
酸の濃度と電離度からpHを求める手順は、
試験でも頻出なので必ずマスターしましょう!
最後に塩基の濃度と電離度からpHを求める方法についてもチェックしましょう。
pHはどう計算する? 塩基の濃度と電離度が与えられている場合
各問のpHを求めなさい。
(1)1.0 × 10⁻²(mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液 (電離度は1)
(2)1.0 × 10⁻³(mol/L)のアンモニア水溶液 (電離度は0.01)
酸ではなく塩基が与えられている場合の問題です。
途中までの処理は酸が与えられている場合と同じです。
まずはOH⁻の濃度を考えます。
(OH⁻ の濃度)=(塩基の濃度)×(価数)×(電離度)
ここまでは酸からH⁺の濃度を求める流れとほぼ同じですね。
違うのはこの計算で分かることがH⁺ではなくOH⁻の濃度であること。
OH⁻の濃度からH⁺の濃度を求めるために
水のイオン積という関係式を使います。
(H⁺ の濃度)×(OH⁻ の濃度)=1.0 × 10⁻¹⁴
この式からH⁺の濃度が分かります。
H⁺の濃度がわかれば、pHを求めることができますね。
実際の問題では、OH⁻の濃度から直接pHを求める流れが定番です。
pHの定義と水のイオン積を組み合わせると
OH⁻の濃度が1.0 × 10⁻ª (mol/L)と表せるとき、pH = 14 – a
このように求めることができます。
今回の解説では14 – a の公式を用いてみましょう。
各問のpHを求めなさい。
(1)1.0 × 10⁻²(mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液 (電離度は1)
(2)1.0 × 10⁻³(mol/L)のアンモニア水溶液 (電離度は0.01)
(1)1.0 × 10⁻²(mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液 (電離度は1)
水酸化ナトリウムの価数は1(NaOH → Na⁺ + OH⁻)
OH⁻の濃度は、1.0 × 10⁻² ×1×1=1.0 × 10⁻²
pHは14 – 2 = 12
(2)1.0 × 10⁻³(mol/L)のアンモニア水溶液 (電離度は0.01)
アンモニアの価数は1(NH₃ + H₂O ⇄ NH₄⁺ + OH⁻)
OH⁻の濃度は、1.0 × 10⁻³ ×1×0.01=1.0 × 10⁻⁵
pHは14 – 5 = 9
まとめ
pHの計算方法は難しいですが、
手順をしっかりと覚えることで確実に解けます。
(濃度)×(価数)×(電離度)は中和滴定の際にも使うので、
この単元でしっかりと覚えてください。
次に読む記事
まだ酸・塩基の名称や化学式があいまいな方は、
最初に覚えるべき酸・塩基一覧 おすすめの暗記方法に進んでください。

