[高校数学Ⅰ] 因数分解 たすき掛けの簡単なやり方をやさしく解説!|効率よく解く3つのコツ
次の式を因数分解しなさい
(1)
これなら簡単!
中学校で何度も練習した形ですね。
おそらくほとんどの高校生は問題なく解けるのではないのでしょうか。
では、次の問題はどうでしょう?
次の式を因数分解しなさい
(2)
ここで少し難度が上がりますね。
高校数学の第一難関。
これはまだまだいけるという方はさらに一題。
次の式を因数分解しなさい
(3)
(3)のように6が登場すると、
解けなくはないけどかなり時間がかかる…
問題集やテストを解くときにこんな風に感じませんか?
実は、この問題をしらみつぶしに解く必要はありません。
いくつかのポイントを知っているだけで、候補を大幅に絞ることができます。
この記事では
(2)をしっかりと解くこと
(3)をスムーズに解くこと
これらを狙いとします。
そのために必要なのは、効率の良いたすき掛けの使い方をマスターすることです。
たすき掛けってなんだっけ?という方から
やり方は知ってるけど毎回時間がかかるという方まで
高校数学の因数分解を速く正確に解くコツをここで身に付けてください!
たすき掛けとは?
たすき掛けとは、
を
のように因数分解するために使う手法です。
とくにx²の係数が1でないときによく用います。
例えば
の式を因数分解する場合、

このようにばってん(×印)を使って図で解くことが特徴です。
このばってんの形がたすきをかけているように見えるためたすき掛けと呼ばれています。
基本的なたすき掛けのやり方
次の式を因数分解しなさい
(2)
この問題をたすき掛けを使って実際に解いてみましょう。
たすき掛けの手順は以下の通り
x²の係数に着目
定数項に着目
たすきがけてxの係数になるように考える
これに沿って使い方を学びましょう。
x²の係数に着目
まず着目すべきは二次の項の係数。
今回は2です。
かけて2になる二つの整数を考えます。
2 = 1 × 2
1と2です。
これを図に書き込みます。

定数項に着目
つぎに見るのはは定数項。
今回は3です。
かけて3になる二つの整数を考えます。
3 = 1 × 3
1, 3 です。
このように複数通りの組み合わせが出ることもあるので注意。
たすきがけてxの係数になるように考える
ここが難所!
先ほど見つけた数(1, 3)をあるルールに従って図に数値を書き込みます。
1, 3 を書き込みましょう。
今回は上に3を、下に1を書き込んでみます。

ここでたすきも書き入れます。
そして、この線に沿って掛け算をします。

1 × 3 = 3
2 × 1 = 2
横同士で掛け算をしないように気を付けてください。
そしてこれら二つの数字に±をつけて計算をして
xの係数であるー7を目指します。
2, 3 ではどうやってもー7は作れませんね。
よってこの図は間違え。
今度は1, 3 の位置を入れ替えてみましょう。
今回は上に1を、下に3を書き込みます。

たすきにそって掛け算をすると…

ここでできた1, 6を使ってー7をつくりましょう。
-1 -6 = -7
マイナスを図に書き込みます。

この図から因数分解した答えを式化しましょう。
上の段にある(2 ー1)を(2x-1)
下の段にある(1 ー3)を(x-3)
これを組み合わせて
これで完成です。
x²の係数に着目
定数項に着目
たすきがけてxの係数になるように考える
答えに不安がある場合は、
因数分解の形を展開して元に戻るか検算しましょう。
ここまでがたすき掛けの入門。
理論的にはこれで問題なく解けるのですが…
今のままでは問題によっては、
たすき掛けの図のパターン数がかなり多くなってしまいます。
ここから先は、たすき掛けのパターン数を減して効率よく解くコツについて解説をします。
たすき掛けを効率よく解く3つのコツ
たすき掛けを効率解くためには、
- 重複しているパターン
- 明らかに答えにならないパターン
これらを削ることが重要です。
以下、すぐに取り入れられる3つのコツをお伝えします!
1:x² の係数は入れ替えない
初心者にもっとも多く見られるのが、
x² の係数を入れ替えて図をたくさん作ってしまうこと。
x²の係数:2→1, 2
定数項:3→1, 3
この式でたすき掛けを作るときのパターン数は

a, b, c, d の4通りです。
ただし、ここでa とc をよく見比べてください。
これらは上の段と下の段が入れ替わっただけで
実質同じものを表しています。
同様にb, d も実は同じものを表しています。
なぜこのような重複が起きているのか?
それは図において、x² の係数(1, 2 の組み合わせ)を入れ替えてしまっているから。
上に2で下に1(逆でもOKです)に固定すれば、
このような重複が防げますね。
たすき掛けのダブりを作らないためにも、
x² の係数は入れ替えないようにしましょう!
2:符号の処理を分けて行う
次に重要なのが、
符号の処理を分けて行うこと。
定数項3の分配は厳密には1と3だけではありません。
ー1とー3に分配することもできますね。
符号も考慮してたすき掛けの図を作ると

またしても4パターン出現してしまいます。
これを半分に減らすために、符号の処理を分けて考えます。
たすき掛けの図に書き込む数値は、まずは符号無しで固定しましょう。

各パターンについてたすき掛けで積を作ります。

これらの数に符号をつけてxの係数が作れるかを考えてください。
この場合はb の1と6両方にマイナスをつければー7が作れますね。
ここまで考えてから図に符号を入れます。

このように数値の配置と符号の処理を分けて行うことで、
書くべき図の数を減らすことができます!
3:横に並ぶ数値は互いに素
ここまでは図の重複や手間を削る工夫でした。
次に紹介するのは明らかに答えではないパターンを削る工夫です。
ここでは冒頭で示した(3)の問題を使いましょう。
次の式を因数分解しなさい
(3)
x²の係数:2→1, 2
定数項:6→1, 6 または2, 3
x²の係数を入れ変えない・符号は後で考える工夫を用いても、
このままでは4通りの図が発生してしまいます。

ここでbに着目します。
仮にbが答えだとすると
しかし なので
のように定数でくくれるのであれば、
たすき掛けを考える前に初手で2でくくるべきですよね。
しかし は明らかに2でくくることはできません。
このようにたすき掛けの横の数字に互いに素でないものを配置すると、
明らかな矛盾が生じます。
このことからbのパターンは答えになりえないことが分かります。
同様にcのパターンも答えにはなりえません。
よって図をa, d の二通りまで絞ることができます。
これらの積を書き込んで符号について考えましょう。

d の4をー4にすれば足してー1となり、今回の条件を満たします。

よって
本来であればかなりの図を書かないと解けない問題ですが、
横に並ぶ数値は互いに素とすることで大幅に削ることができます。
まとめ
たすき掛けの基本的な使い方と、効率よく解くための3つのコツについて解説をしました。
たすき掛けが素早く解けるとテストや入試でかなり有利になります。
スムーズに解けるように繰り返し練習をしてください。


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