【共通テスト対策】化学反応式の係数はどう合わせる?|文系のための高校化学基礎
「化学反応式の係数がなかなか合わせられない…」
「やり方は習ったけど、何度もやり直さないと解けない…」
化学反応式の係数決めは、初学者は結構時間がかかるものです。
しかし、この先の単元学習のことを考えると、
化学反応式を素早く立てられるスキルが必須です。
そのためには係数を合わせるコツをつかんで、
手順を理解した上で演習を繰り返す必要があります。
今回はその準備として、
化学反応式の係数をスムーズに求める方法を紹介します。
この記事を読んで、
係数を決める際の優先順位をしっかりと覚えましょう!
化学反応式の読み方と係数のルール
化学反応式は、
反応物(式の左側)と生成物(式の右側)がそれぞれどのような割合で反応するのかを表しています。
この場合はメタノール2mol、酸素3molにつき、二酸化炭素2mol、水4molが生成されます。
係数からそれぞれの物質の反応する量の比が読み取れます。
ではこの係数はどのようにして決まっているのか。
それは反応物側と生成物側で各元素の個数がそろうように定められています。
実際にこの式では
| 反応物(左) | 生成物(右) | |
| C | 2 | 2 |
| H | 4 | 4 |
| O | 8 | 8 |
このように各元素の個数がそろっていますね。
つまり係数を決めるためには、
各元素の個数がそろうように配慮すればよいということです。
では各元素の個数がそろうように係数をそろえてください。
……。
こう言われると実際どうすればよいのか困りますよね。
このような問題をスムーズに解く手順を身に付けることが、
この記事の狙いです。
化学反応式の係数の合わせ方 手順まとめ
はじめに、化学反応式の係数を求める手順を整理します。
手順の意味を覚えたら、スクショして暗記に役立ててください。
より多くの元素の数が確定するものを1と置く
元素数を合わせながら係数を埋める
( 詰まったら別のものの係数をaと置く)
( 方程式を解く)
最後に自然数に直す
※()の手順は必要に応じて行います
かなり省略して説明しているので、まだ少しぴんと来ないかもしれません。
この手順に基づいて実際に係数を求めて、手順の意味を把握しましょう。
例題1:メタノールの燃焼の係数を合わせる
この化学反応式の係数を合わせましょう。
より多くの元素の数が確定するものを1と置く
係数決定の基本戦略は、
より多くの元素の数が確定するものを1と置く
ことです。
ここで4つの物質のうちどれの係数を1と置くと良いでしょうか。
- CH₃OH
- O₂
- CO₂
- H₂O
それぞれの係数を仮決めしたときに、どの元素の個数が確定するかチェックしましょう。
| 物質 | 確定する元素 | 評価 |
| CH₃OH | 左辺のC, H | ◎ |
| O₂ | なし | × |
| CO₂ | 右辺のC | △ |
| H₂O | 右辺のH | △ |
表より、一番多くの元素の個数が決まるメタノール CH₃OH が正解です。
※仮決め数値は化学式の左下に小さく書くと良いです。
この仮決めに基づいて、他の係数も決めましょう。
元素数を合わせながら係数を埋める
現在確定しているのは左辺のC, Hです。
まずは「左辺のCの個数が1個」から右辺のCの個数をそろえましょう。
右辺のCにかかわっているのはCO₂。
この係数を1にします。
次に「左辺のHの個数が4個」から右辺のCの個数をそろえましょう。
右辺のHにかかわっているのはH₂O。
ここは難所です。
H₂O1つにつき、Hは2つ。
Hを4つにするためにはH₂Oは2つです。
今度は酸素に注目します。
二酸化炭素・水の係数が決まったことで、右辺の酸素の個数が4つ と決まりました。
左辺をこれに合わせると、O₂ の係数は3/2 となります。
(O₂ 1つでO が二つであることに注意)
分数込みですが、各物質の係数が決まりました。
最後に自然数に直す
化学反応式の係数は物質量の比を表すため、
最も簡単な自然数比で表すようにしましょう。
今回は各係数を2倍します。
ここで係数が確定するので
- 数値を大きく書くこと
- 係数1を省略すること
に注意。
これでエタノールの燃焼の化学反応式の係数を合わせることができました!
例題2:エタンの燃焼の係数を合わせる
冒頭の問題です。
初めは何をすればよいか戸惑いましたが、
今は手順が少し身についてきていますね。
この例題でさらにしっかりと理解しましょう!
より多くの元素の数が確定するものを1と置く
今回はエタンC₂H₆ の係数を1とすると、
左辺のC, H の個数が決まります。
元素数を合わせながら係数を埋める
C, H に着目すると、
CO₂ は2、H₂O は3と分かります。
次にO に着目。
ここは少し難しいですが、右辺のO が7つであることを考慮すると、
O₂ の係数は7/2 です。
最後に自然数に直す
全体を2倍します。
これでクリア。
【発展】1か所の仮決めだけでは解けない場合もある
共通テストの化学基礎のみを扱う人にとっては少し難しい問題ですが、
1か所の仮決めだけではクリアできない場合もあるので覚えておきましょう。
例として扱うのは「銅と濃硝酸の反応」です。
左辺のHNO₃ の係数を仮置きします。
今回は都合上2とおきます。
左辺のH が決まったので右辺のH₂Oの係数が1と分かります。
仮決め1か所のみでは、ここで止まってしまいます。
打開策は、他の物質の係数をa として仮置きすること。
今回はCu の係数をa としましょう。
Cu の数の関係から、Cu(NO₃)₂ の係数もa となります。
残るはNO₂の係数。
N, O どちらかに着目して係数を決めましょう。
ここではN を見て係数を決めています。
文字付ですべての係数が定まりました。
次はa の特定。
先ほどスルーしたO の個数に着目。
左右のO の個数が等しくなることから方程式が立てられます。
これを代入すると
全体を2倍して分数を解消。
これでクリア。
仮に1か所の仮決めだけでクリアできない場合は、
このように文字a を使って解決しましょう。
共通テストではどう出る?
共通テストでは、
係数を自力で決定させる問題はあまり多くありません。
しかし、
完成した化学反応式を利用して
- mol計算
- 酸化還元
などを解かせる問題は頻出です。
そのため、化学反応式の係数がなぜその値になるのか
を理解しておくことは非常に重要です。
また、おそらく定期テストでは係数の合わせ方が問われるので、
ここでしっかりとできるようにしておくと安心です。
まとめ
化学反応式の係数をスムーズに決める方法を解説しました。
手順をひとつずつ把握して、
学校ワークなどを用いて繰り返し演習をしてください。
今回の考え方をしっかり身につけて、今後の化学基礎の学習につなげていきましょう。
次に読むべき記事
molの計算が苦手な方は、
こちらの記事に進んでください。
文系のための高校化学基礎目録はこちら!
共通テスト・定期テストにむけて化学基礎全体を学習したい方は、
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