【コラム】空気の平均分子量って何?|文系のための高校化学基礎

  • 酸素の分子量は32
  • 二酸化炭素の分子量は44

このように、高校化学では様々な物質の分子量を扱います

ではここで問題です。

空気の平均分子量はいくつ?

「空気ってそもそも化学式で表せるんだっけ…」

「というか平均分子量って何?」

このような違和感を感じられれば、ここまでの学習はよく身についています。

実は空気は:

  • 窒素
  • 酸素
  • 二酸化炭素
  • アルゴン

などが混ざった混合物です。

これらの比率を考慮して計算すると
「空気の平均分子量は約29」
と表すことができます。

この記事では、

分子量ってなんだっけ?

混合物にも平均分子量がある!

空気の平均分子量の求め方

同位体と分子量

これらの解説を通して、
分子量をより広くとらえることがこの記事の目的です。

共通テストや定期テストでもよく出題される
「塩素分子の分子量」
「空気の平均分子量」
についてもしっかり計算ができるようにしておきましょう!

分子量って何?

まずは分子量について確認しましょう。

例えば:

  • H₂O → 18
  • CO₂ → 44

分子量は1molあたり何gかを求めるときに使う数値です。

H₂O が1mol あれば、その重さは18g

CO₂ が3mol あれば、その重さは44 × 3 = 132g

このように、ある分子の粒数(mol数)とその重さをつなげる数値が「分子量」です。

分子を作らない物質でも分子量の考えが使える!

イオン結晶は式量

  • NaCl
  • MgO

このようなイオン結晶は分子の形をとらず、大きなかたまりとして存在します。

このかたまりから1mol分の粒を取り出したときの重さが「式量」です。

金属結晶は原子量

  • Fe
  • Cu

など金属も、やはり分子の形をとりません。金属結合によってかたまりをつくります。

このかたまりから1mol分の粒を取り出したときの重さが「原子量」です。

イオン結晶や金属結晶にも分子量の考え方は利用できる

イオン結晶や金属結晶は厳密には分子を作っていません。

それでも「その物質1molの重さ」を考えることはできます。

名前は

  • 分子量
  • 式量
  • 原子量

と変わりますが、

本質的には

「1molあたりどれくらいの重さか」

を表すことができることをおさえてください。

混合物の平均分子量とは?

ここで空気の話に戻ります。

空気はいくつかの分子が混ざった混合物です。

ここまでで確認した分子量・式量・原子量のどれを使ってもそのままは計算できなさそうですね…

分子は原子の集まり

ここで参考にしたいのが水分子1molの分子量の求め方。

水分子1molは水素原子2molと酸素原子1molからなる。

水素原子2mol分と酸素原子1mol分の重さを足すことで、
水の分子量18を求めています。

このように構成の比率が決まっていることを利用して水の分子量を計算しています。

混合物は純物質の集まり

同様に、空気もそれを構成する分子の比率を調べることができます。

「構成する物質たちを平均するとどれくらいの重さになるか」

このように考えることで混合物の平均分子量を求めることができそうですね

空気の平均分子量の計算方法

では実際に計算してみましょう。

今回は簡単のため:

  • N₂:80%
  • O₂:20%

として近似します。

  • N₂ の分子量 → 28
  • O₂ の分子量 → 32

空気を1mol(22.4ℓのほうがイメージしやすいかもしれません)用意すると、
そのうち80% は窒素で、20% は酸素である。

窒素が0.8mol で酸素が0.2mol の物質の重さを求めると…

28 × 0.8 + 32 × 0.2 = 22.4 + 6.4 = 28.8

およそ29

このように、空気の平均分子量は約29g と計算することができます!

※実際の空気にはアルゴンや二酸化炭素なども含まれるため、これは近似計算です。

実は原子量や分子量も「平均の値」

ここで少し面白い話をします。

実は…

原子量や分子量も、平均の値なのです。

塩素 Cl の原子量は35.5

塩素原子には

  • 質量数35
  • 質量数37

の同位体があります。

自然界では

  • 質量数35 が約75%
  • 質量数37 が約25%

存在しています。

これらを先ほどの空気のように、比率を考慮して計算すると

35×0.75 + 37×0.25 = 35.5

になるのです。

酸素も実は数種類ある

実は酸素にも

  • 質量数16
  • 質量数17
  • 質量数18

などがあります。

ただし自然界では
質量数16 が圧倒的に多いです。

このため、
高校化学では単純に

O = 16

として扱っています。

同位体を考慮した平均の値を用いている

つまり

普段使っている原子量・分子量も、
自然界の存在比をもとにした平均値

なのです。

混合物の平均分子量の考え方と一緒に覚えておきましょう。

まとめ

化合物では構成元素の比が決まっているため、
分子量を決めることができます。

空気のような混合物も構成する純物質の比を決めることで、
その平均分子量を求めることができます。

また、実は普段使っている原子量・分子量も、
同位体の存在比を考えた平均値です。

これらをしっかりとおさえて、
「構成の比率をもとに平均を考える問題」が試験で出題されたら
しっかりと解けるようにしましょう!

次に読むべき記事

molの計算に不安がある方は、
「mol計算を速く正確に解くには?」に進んでください。

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