高校数学B「統計的な推測」 第2章|期待値と分散・標準偏差をやさしく解説

統計的な推測の単元において、
期待値・分散・標準偏差について理解することは非常に重要です。

この記事では、「期待値・分散・標準偏差」の基本を、例題を通してわかりやすく解説します。

  • 「期待値や分散・標準偏差ってどうやって定義するの?」
  • 「分散って結局何?」
  • 「それぞれどうやって計算するの?」

このような疑問を持つ高校生・受験生の方は、ぜひここで基礎を固めて共通テスト数学の点数アップにつなげましょう!

※この記事は、林個別指導塾が運営する学習ブログです。


◀ 第1章|確率変数と確率分布

▶ 第3章|確率変数の変換 Y = aX + b の期待値・分散

▶︎ 高校数学B「統計的な推測」シリーズ目録・過去問解説のまとめはこちら!


期待値・分散・標準偏差とは?

まずはそれぞれの用語についてざっくりとした認識を持ちましょう。

  • 期待値:起こりうる値の「平均」
  • 分散:平均からの「ブレの大きさ」
  • 標準偏差:ブレの大きさを元の単位で表したもの(分散の平方根)

期待値・分散・標準偏差。

これらの語句は統計的な推測の単元全体で何度も登場します。

それぞれの語句についてしっかりと意味を理解しておきましょう。

統計的な推測の単元で初学者にとって特に難しいのが、分散を理解すること

そのとっかかりとして、
「分散が100 からわかること」
というコラムを用意しました。

具体的な公式の活用・計算処理に入る前に、
分散をどのように使うのかをチェックしておいてください!

分散の式の理由・その成り立ちについて興味がある方は以下の記事をチェック!
なんで分散は二乗する必要があるの? などを解説しています。

期待値・分散・標準偏差の公式

続いて、期待値・分散・標準偏差の公式を紹介します。

それぞれの語句について、それが表す意味と公式の形をリンクさせましょう!

期待値の公式

期待値(Expected Value)とは、起こりうる値の「平均」です。

確率変数Xがとる値に、それが起こる確率をかけてから足し合わせることで求めます。

分散の公式

分散(Variance)は、平均からの「ブレの大きさ」を表します。

確率変数Xがとる値と平均との差を二乗して、それが起こる確率をかけてから足し合わせることで求めます。

平均との距離の二乗に確率をかけてから足し合わせるイメージです。

分散については、定義の式以外にも頻出の公式があるので、それぞれ解説をします。

分散の定義の式

先ほど紹介した形です。

これを式変形することでもう一つの公式を導出することができます。

二乗の平均 - 平均の二乗 の形

確率変数X² の期待値から、確率変数X の期待値を二乗したものを引くことで
分散の値を求めることができます。

実際に分散を計算する際は、
定義の形よりもこちらの形を用いる方が計算が楽になることが多いです。

この後の例題・演習でさっそく使ってみましょう!

公式の導出方法が気になる方は、以下の記事で確認してください。

標準偏差の公式

分散では「ズレの2乗の平均」を求めるため、単位も2乗されてしまいます。
(たとえば cm のデータなら、分散の単位は cm²)

そこで、その平方根を取ることで、
元の単位に戻してばらつきを評価するのが標準偏差(standard deviation)です。

今後習う様々な公式・考え方では、
分散よりも標準偏差を用いることが多いです。

まずはこれらの公式をしっかりと覚えましょう。

式の暗記が完了したら、例題を通して実際に計算を行います。

例題:分散・標準偏差を求めよう

期待値・分散・標準偏差について実際に具体例で求めてみましょう!

期待値・分散・標準偏差を求めるためには、確率分布を表にまとめるスキルが必須です。
確率分布のまとめ方が不安な方は、先に第1章を読んで復習をしてください!

第1章「確率変数と確率分布」と同様に、

サイコロ
コイン
じゃんけん

のそれぞれを題材とした例題を解説します。

サイコロの場合

サイコロを1つ投げた。

この時の出目について、期待値・分散・標準偏差を求めなさい。

手順に従って例題をクリアしましょう。

確率変数を定義・取りうる値を考える

確率変数X はサイコロの出目ですね。

X={1,2,3,4,5,6}X=\{1, 2, 3, 4, 5, 6\}

確率分布を表にまとめる

X112233445566
P16\dfrac{1}{6}16\dfrac{1}{6}16\dfrac{1}{6}16\dfrac{1}{6}16\dfrac{1}{6}16\dfrac{1}{6}11

確率分布を表にまとめる方法は第1章ですでに解説をしました。
ここではかんたんに結果のみ。

E[X], E[x²] を計算する

先ほどまとめた表を使って計算をします。

まずはE[X], E[x²]について計算。

E[X] とは確率変数X の期待値
E[X²]とは確率変数X の取り得る値をすべて二乗にして期待値を計算した値です。

期待値・分散・標準偏差を求める

続いて、公式から期待値・分散・標準偏差を求めます。

E[X] … 期待値
V[X] … 分散
σ … 標準偏差

これでクリアです。

E[X], V[X], σ が何を表すかはここで覚えましょう!

コインの場合

コインを2枚同時に投げる。

この時に表が出る枚数について、期待値・分散・標準偏差を求めなさい。

確率変数を定義・取りうる値を考える

確率変数X は表のコインの枚数。

X={0,1,2}X=\{0, 1, 2\}

確率分布を表にまとめる

X001122
P14\dfrac{1}{4}24\dfrac{2}{4}14\dfrac{1}{4}11

E[X], E[x²] を計算する

期待値・分散・標準偏差を求める

これでクリア!

じゃんけんの場合

3人でじゃんけんを1回行う。

この時の勝者の人数について、期待値・分散・標準偏差を求めなさい。

確率変数を定義・取りうる値を考える

確率変数X は、じゃんけんの勝者の人数。

X={0,1,2}X=\{0, 1, 2\}

確率分布を表にまとめる

X001122
P13\dfrac{1}{3}13\dfrac{1}{3}13\dfrac{1}{3}11

E[X], E[x²] を計算する

期待値・分散・標準偏差を求める

これでクリア!

解法の手順

  1. 確率変数の定義と取りうる値を考える
  2. 確率分布を表にまとめる
  3. E[X], E[x²], を計算
  4. 期待値・分散・標準偏差を求める

どの例題についても、同じ手順を用いて解きました。

この手順を再度確認したら、演習へ進みましょう!

演習

コインを3枚同時に投げる。

この時、表が出る枚数について、期待値、分散、標準偏差を求めよ。
それぞれのコインについて表・裏が出る確率はどちらも 12\dfrac{1}{2} とする。

解法

  1. 確率変数の定義と取りうる値を考える
  2. 確率分布を表にまとめる
  3. E[X], E[x²], を計算
  4. 期待値・分散・標準偏差を求める

確率変数の定義と取りうる値を考える

表が出る枚数を確率変数Xとする。

X={0,1,2,3}X=\{0, 1, 2, 3\}

確率分布を表にまとめると

X00112233
P18\dfrac{1}{8}38\dfrac{3}{8}38\dfrac{3}{8}18\dfrac{1}{8}11

E[X], E[x²] を計算

期待値・分散・標準偏差を求める

まとめ

期待値・分散・標準偏差についてよく理解できましたか?

それぞれの用語のイメージは必ずつかんでおきましょう。

その上で、これらを実際に求めるために用いる公式を覚えましょう。

余力のある方は分散のコラムや、分散の計算式の証明をチェックしておくと◎です。

次回は「第3章|確率変数の変換 Y = aX + b の期待値・分散」です。

期待値と分散・標準偏差の確認テスト|この章の理解はバッチリ?

以下のポイントが自力で説明・再現できれば、この章はほぼマスターです!

  • 期待値・分散・標準偏差とは何か
  • 期待値・分散・標準偏差の公式を説明できるか
  • 確率分布をまとめて、そこから期待値・分散・標準偏差が求められるか

「ちょっと怪しいかも…」と思った箇所があれば、上に戻って再チェックしてみましょう!


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