高校数学B 分散の計算はなぜ「2乗の平均 − 平均の2乗」なのか?

分散を求めるための公式「2乗の平均 − 平均の2乗」

この式ってなんで成り立つんだろうって聞かれたら意外と説明は難しいですよね。

この記事では「分散=2乗の平均 − 平均の2乗」がなぜ正しいのか、数学的な導出方法を紹介します。
公式の暗記から一歩すすで、式の証明までばっちりとつかんでおきましょう!

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定義の式と、実際の計算でよく使う式

分散の定義は以下のとおりです。

これは「期待値(平均)からのズレを2乗して、それを平均したもの」です。

ですが、実際の計算ではこの定義式よりも、今回導出する

の形を使うことが圧倒的に多いです。

なぜこの式が正しいのか、今回はここにフォーカスして見ていきましょう。

期待値の基本的な性質をチェック!

さっそく式の導出に入りたいのですが、その前に。。

今回の導出の中で用いる、期待値の基本的な性質についておさえておきましょう。

先にそれらについてチェックしておきましょう。

この2つの性質は、今後も頻繁に登場するので必ず押さえておきましょう。

分散の定義から出発!

それでは式の導出を始めましょう。

まずは数式を展開してみます。

ここではE[X + Y] = E[X] + E[Y] を利用していますね。

次に、 E[X] は定数であることに着目すると、以下のように計算できます。

ここではE[aX] = aE[X] を利用しています。

したがって:

まとめ

「分散=2乗の平均 − 平均の2乗」について解説をしました。

この式は特に計算を楽にする目的でもよく使われます。

公式の暗記だけでなく、その公式の証明まで自力で行えるようにしておきましょう。

余談:なぜ2乗するのか?

ズレの絶対値の平均(平均偏差)という指標もありますが、数学的な扱いやすさや、微分の性質、解析における滑らかさから「2乗」が使われるのが一般的です。

これは別記事で詳しく解説しています:

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