都立高校入試 数学の戦略的対策|正答率データで狙う得点アップ法【動画あり】
高校入試の数学は、中1〜中3の全範囲から出題されます。
「どこから手をつければいいかわからない」
「頑張っているのに点数につながらない」
そんな悩みを抱えている中学生や保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では東京都 都立高校入試 数学の得点アップ方法 について、過去の受験者の正答率に基づいて解説をします。
こうした疑問に答えながら、効率よく合格点を目指す方法を整理しました。
得点力を上げたい人、指導者として方針を固めたい保護者にも役立つ内容です。
※この記事は、林個別指導塾が運営する学習ブログです。
※この記事は、2024年度・2023年度・2022年度の東京都都立入試のデータを参考にしています。
東京都 都立高校入試 数学の出題傾向
具体的な解析結果・戦略の話に入る前に、まずは入試の概要から説明します。
都立高校入試 数学の概要
- 試験時間:50分
- 配点:100点
- 大問数:5題構成
- 記述問題:2問(証明問題など)
各大問の内容と配点
| 大問 | 出題内容 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1問 | 計算問題 小問集合 | 46点 |
| 第2問 | 文字式の利用 規則性 | 12点 |
| 第3問 | 関数とグラフ | 15点 |
| 第4問 | 平面図形 | 17点 |
| 第5問 | 空間図形 | 10点 |
| 計100点 |
都立高校入試数学に関する詳細は以下の記事により詳しくまとめているので、チェックしてください。
正答率データからわかる3つの重要なこと
正答率50%以上の問題がすべて解ければ、平均点越えは可能
2024年度、2023年度、2022年度の正答率を調査した結果、正答率が50%以上の問題をすべて正答できれば受験者の平均点を超えることが分かりました。
極端に難しい問題を解くよりも、多くの受験生が解けている問題をおさえることが得点確保のために重要です。
大問2~5は、年度によって正答率に波がある
大問2~5については、年度によって正答率に波があります。
いつも解けるはずの問題が解けない場合は「この問題が解けなかったら点数が下がってしまう」ではなく「この問題はいつもより難しく設定されている」と考えるようにしましょう。
その問題の代わりに別の問題が簡単になっている、今年度は試験が難化していて平均点も下がるはず。
特定の問題にこだわるよりも、どの問題バランスよく解ける状態を作っておくことが重要ですね。
※大問2の1番や大問3の2番、大問4の2番の正答率が低い年は、平均点の低くなりがちなので、頭の片隅に入れておきましょう
正答率は低いけど、実は簡単な問題もある
東京都立入試でいうと、大問1の問7~9は「正答率がそれほど高くないが決して難しくはない」問題です。
ではなぜ難しくないのに正答率が低いのか…
それはしっかりと準備をしている受験生が少ないからです。
大問1の問7~9で問われるものは「確率・資料の整理」「角度の問題」「作図」などです。
特に「作図」は直近どこかで復習をしましたか?
たいていの生徒はしていないですね。
問題集にもあんまり出てこないから。
準備不足のまま試験に挑んでしまっているから正答率が低い。
それだけの話です。
逆に言うと、きちんと準備をすればこれらの問題はしっかりと得点できます。
こういったねらい目の問題は必ず取って、点数アップにつなげましょう。
以上のことを踏まえたうえで
- 正答率が高い“落とせない問題”とは?
- 逆に、手を出すと危険な問題は?
- 目標点数を取るにはどんな戦略が必要?
について見ていきましょう!
正答率が高い“落とせない問題”とは?
正答率50%以上の問題

濃いオレンジ色の問題が、3年間常に正答率50%以上の問題。
正答率50%以上の問題をすべて解ければ平均点を超えることができる、と説明しましたね。
年度ごとに多少の違いはありますが、上の表の色付き問題が「正答率の高い、落とせない問題」です。
まずは3年間常に正答率50%以上の問題(濃いオレンジ)が必ず正答できるように。
続いて3年間で一度は正答率50%以上であった問題(薄いオレンジ)が安定して解けるとgood。
ここまで解ければそれだけで73点です。
手を出すと危険な問題は?
次に、手を出すと危険な問題について紹介します。
正答率30%以上の問題

正答率30%以上の問題に色を付けています。
逆に言うと、大問3, 4, 5の最後の問題。
これらの問題は2024~2022年度の試験で一度も正答率30%以上に上がっていないということです。
これらをすべてカットしても85点の得点が可能。
これら3題が過去問演習時に解けていない場合は、試験当日は他の問題で得点を稼ぐことをおすすめします。
この3題は自主作成校にから都立共通トップ校へ志望校を変えた生徒向け、と考えてください。
東京都 都立高校入試数学 目標点数ごとの取るべき戦略
目標点数60~73点の人が取るべき戦略

大問1を完答。
大問2は問1(解けないことも織り込み済み)。
大問3は問1がマストで問2は標準レベルであれば解く。
大問4は問1がマストで問2(問2は5年に1回程度、難問が出題される)を得点。
この戦略で行きましょう。
難しい問題を2問間違えると、点数が60~63点です。
完答できれば73点です。
目標点数73点以上の人が取るべき戦略

大問1は完答。
大問2は問1がマスト。
大問3は問1、2がマスト。
大問4は問1,2がマスト。
大問5は問1をクリアする。
大問2の問2はたまに正答率30%超えの問題が出題されます。
こちらも得点の候補に入れておくと78点得点が見込めます。
目標点数78点以上の人が取るべき戦略
ここからはかなり難度が上がります。
78点以上得点する場合は、大問2~5すべてに対応して、その年難度が低かったものがクリアできる力を養いましょう。
東京都 都立高校入試数学 年度ごとの正答率データベース
2024年度、2023年度、2022年度の正答率をまとめました。
薄いオレンジ色が正答率50%以上の問題。
濃いオレンジ色が正答率30%以上の問題。
過去問を解いた際に参考にしてください。
2024年度

この年は例年より大問2番、大問5番の正答率が高い年でした。
2023年度

2023年度は平均点の低い年。
大問2の1番や大問3の2番、大問4の2番の正答率が低い年は、平均点の低くなりがちです。
逆に言うと、それら3問は基本+α の問題ということですね。
2022年度

2023年と同様に平均点は低めですが、色のついている小問は多め。
どの問題も標準レベルであれば解ける状態にしておくと、この年はかなりの点数が見込めましたね。
【まとめ】都立高校入試 数学で合格点を取るために
この記事では、過去3年分の正答率データをもとに、都立高校入試数学の出題傾向と戦略的対策について解説しました。
- 正答率50%以上の問題を確実に取るだけで平均点は超えられる
- 逆に、正答率30%未満の“危険ゾーン”は手を出しすぎないのが得策
- 目標点別の得点戦略を立てれば、無理なくスコアアップが狙える
都立入試では「基礎を落とさない」「難問に固執しない」ことが合格への近道です。
この記事を参考に、自分の実力に応じた戦略を立てていきましょう。
このあと各大問ごとの対策記事もぜひチェックしてください!
大問5番対策(準備中)
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